セインズベリー日本藝術研究所との研究交流―イギリスでの協議と講演
イギリス・ノリッチに所在するセインズベリー日本藝術研究所(Sainsbury Institute for the Study of Japanese Arts and Cultures、以下SISJAC)は、ヨーロッパにおける日本芸術文化研究の主要拠点の一つです。東京文化財研究所では、平成25(2013)年より、同研究所との共同事業を継続的に実施しています。
文化財情報資料部では、この共同事業の一環として、毎年研究員をイギリスに派遣し、関係者との協議や講演を行っています。令和7(2025)年度は、田代裕一朗および吉田暁子の2名が訪英しました。
今回の訪英では、まず12月4日、イースト・アングリア大学のアーラム・ホールにて、田代が「Japanese Residents of Colonial Korea and Their Relationship with Ceramics(植民地朝鮮の日本人と陶磁器)」と題した講演を行いました。本講演は、SISJAC所長のサイモン・ケイナー氏、ならびにイースト・アングリア大学教授のラー・メイソン氏による講演とあわせて開催され、講演後には三氏によるディスカッションも行われました。
講演後、田代と吉田は、准教授ユージニア・ボグダノヴァ=クマー氏をはじめとするSISJACのメンバーと、今後の共同事業について協議を行いました。ここでは、次年度に講演を予定している吉田がプレゼンテーションを行い、意見交換を通じて、次年度以降のより建設的な研究交流の在り方について話し合いました。
翌12月5日には、ノリッチからロンドンへ移動し、ユージニア氏の司会のもと、ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)にて、田代が「Japanese “Kottō” Culture and Korean Ceramics(日本の骨董文化と韓国の陶磁器)」と題した講演を行いました。講演後には、同学院で学ぶ学生たちとのディスカッションも行われました。
文化財情報資料部では、このような研究交流に加え、欧米圏で開催された日本美術展覧会に関する情報を集積するデータベース事業も、SISJACと共同で進めています(※)。今後も「研究」と「アーカイブ」という二つの柱を軸に、SISJACとの連携を一層強化し、日英両国の学術研究に寄与していければ幸いです。
韓国・国立現代美術館からの来訪
令和7(2025)年12月18日、韓国の国立現代美術館の一行が、東京文化財研究所を来訪しました。同館は昭和44(1969)年に開館した文化体育観光部傘下の国立美術館で、現在、果川館、ソウル館、徳寿宮館、清州館の4館を運営しています。日本の多くの現代美術館とは異なり、近代美術も収集・研究の対象に含めている点に特色があり、韓国の近現代美術を代表する美術館として知られています。
文化財情報資料部では、6月にプロジェクト「文化財に関する調査研究成果および研究情報の共有に関する総合的研究」(シ01)の一環として、「韓国における美術アーカイブの現況調査」(※)を実施し、その際に国立現代美術館のアーカイブを見学調査しました。今回はその逆に、韓国から日本を訪問する形となり、アーキビストのイ・ジヒ学芸研究士をはじめ、パク・ヘソン学芸士、パク・スジン所蔵品管理課長の計3名が東文研を来訪しました。
今回の来訪に先立ち、6月に韓国を訪問した橘川英規(近現代視覚芸術研究室長)と田代裕一朗(文化財アーカイブズ研究室 研究員)は、10月15日に国立現代美術館のアーカイブ関係者とオンラインミーティングを行い、東京文化財研究所の沿革や、コレクション(所蔵資料)の形成過程およびその特質についてプレゼンテーションを行いました。こうした事前の交流を踏まえ、今回は「実際に資料を見る」ことに主眼を置いた案内が行われました。
一行は、橘川および田代の案内のもと、資料閲覧室から書庫へと順に見学を行い、数多くの資料の中から、とくに「日本に居住した韓国人(朝鮮人)美術作家」に関する画廊資料や展覧会資料を中心に閲覧しました。昭和5(1930)年に創設された帝国美術院附属美術研究所以来、東京文化財研究所では同時代的に資料を蓄積してきた経緯があり、コレクションの中でも近現代美術に関する資料がとくに充実しています。これらには、韓国の美術史研究においても重要な意義を持つ資料が数多く含まれています。一方、国立現代美術館も近現代美術を中心に資料収集を行っており、両機関のコレクションには共通点が多いといえます。
見学後の協議では、東京文化財研究所と国立現代美術館のコレクションが相互に補完し合う関係にあること、また、今後研究協力を進めていくことで、日韓両国の美術史学に寄与し得る可能性が確認されました。一過性の交流にとどまることなく、継続的に情報を共有し、交流を重ねていくことで、より実りある協力関係へと発展させていければと考えています。
※令和7(2025)年6月活動報告「韓国における美術アーカイブの現況調査」(https://www.tobunken.go.jp/materials/katudo/2396756.html)
「第59回オープンレクチャー かたちを見る、かたちを読む」開催
文化財情報資料部では、研究の成果を一般の方に向けて発表する機会として、毎年秋に「オープンレクチャー」を企画しています。このたびの「第59回オープンレクチャー かたちを見る、かたちを読む」は、令和7(2025)年11月13日、14日の2日間にわたって、東京文化財研究所セミナー室で開催し、4名の研究者が講演をおこないました。
1日目の講演のうち、「「銘文」を考える」(文化財情報資料部研究員・月村紀乃)では、作品研究において重要な手がかりとなる「銘文」に注目し、文字の形状や字種ごとの出現頻度という観点から、刀剣の銘文を捉え直す研究手法を提案しました。また、「画僧 風外本高(ふうがいほんこう)の絵画制作」(島根県立美術館学芸員・藤岡奈緒美氏)では、出雲国(現在の島根県)に多くの絵画作品を残した風外本高を取り上げ、その主題選択や描画技法に、版本や池大雅の存在が強く影響を与えていることが示されました。
2日目の講演では、「タイに渡った蒔絵工―鶴原善三郎と三木栄―」(文化財情報資料部文化財情報研究室長・二神葉子)で、20世紀初頭にタイに招かれた二人の日本人蒔絵工を題材に、従来知られていなかったタイ王室での待遇や漆工品制作などについて紹介しました。また「「帝鑑図」とは何か」(文化財情報資料部客員研究員・薬師寺君子)では、東京文化財研究所で所蔵するガラス乾板等の資料を使い、中国で出版された『帝鑑図説』の挿絵が、日本で帝鑑図として受容されていく過程を読み解きました。
講演には両日合わせて126名の参加者がありました。アンケートでは、回答者のおよそ9割から「たいへん満足した」、「おおむね満足だった」との評価が得られ、自由記述欄からも、講演内容への満足度の高さがうかがわれました。
「『日本美術年鑑』採録文献データベース」の公開について
『日本美術年鑑』(以下『年鑑』)は、日本国内の美術界における一年間の動向をまとめたデータブックで、昭和11(1936)年に東京文化財研究所の前身である帝国美術院附属美術研究所で刊行され、現在も刊行が継続されています。令和4年版(2025年1月刊行)より、『年鑑』を構成していた項目のうち「美術文献目録(定期刊行物所載文献)」の冊子掲載を終了し、これに代わって、同目録を収録した「『日本美術年鑑』採録文献データベース」をウェブサイト上で公開しています。(https://www.tobunken.go.jp/yearbook/articles_from_periodicals)
本データベースは、冊子版と同様に、内容に即した分類ごとに文献を掲載することに主眼を置いています。特定の作家や美術館などに関する文献を調べたい場合は、一般的なデータベースと同様にキーワードによる検索が可能です。しかし、『年鑑』において「保存修復」や「文化財行政」などに分類される文献のなかには、適切なキーワードの設定が難しいものも含まれています。そのため、分類ごとに文献群を参照できる本データベースは、従来の冊子版のように、キーワード検索では把握しにくい各分野の動向を把握するうえで有効です。
現在は、冊子での掲載を終了した令和3(2021)年1月1日から令和4(2022)年12月31日までに刊行された雑誌や新聞の文献目録を公開しています。今後は、令和2(2020) 年以前に発表された最新の文献情報を公開していくことを計画しています。こうした取り組みによって、冊子版『年鑑』が長年にわたり果たしてきた日本国内の美術界の動向を体系的に把握する役割を、今後も維持し、発展させてまいります。なお、データベースは現状、起動に10秒ほど時間がかかる状態となっており、表示速度改善に向けた検証と調整を進めております。
文化財(美術工芸品)の修理記録データベースの開発過程―「Clarisカンファレンス2025」での報告
東京文化財研究所文化財情報資料部では、Claris International Inc.が提供するローコード開発プラットフォーム「Claris FileMaker」を用いて、およそ100の様々なデータベースを共有しており、文化庁「美術工芸品修理のための用具・原材料と生産技術の保護・育成等促進事業」の成果である「文化財(美術工芸品)の修理記録データベース」もその一つです。令和7(2025)年11月7日、東京文化財研究所は同社主催の「Clarisカンファレンス2025」において、本データベースに関する報告を行いました。
データベースの「作る」「貯める」「取り出す」「見せる」という各作業段階に対して、本データベースはこれらを一つの統合システム上で行うのではなく、複数のソフトウェアを利用し、データのみを共有する形でシステムを運用している点に特徴があります。具体的には、Microsoft Excel で作成したデータをClaris FileMaker に取り込み、公開に際してはWordPressを用いるという運用です。
報告「基準なき文化財修理記録のデータベース化を支えた Claris FileMaker の高い柔軟性」(発表者:小山田智寛・山永尚美・田良島哲・江村知子(文化財情報資料部))では、こうした運用が各作業段階に自由度の高さをもたらし、柔軟なレイアウト設計とスピーディーな要件定義を可能にしたことを述べました。こうした「作りながら考える」という開発プロセスのもと、今後も試行錯誤を繰り返しながら、多くの方のお役に立てる修理記録データベースの設計と構築を目指してまいります。
*今年度の事業成果は「2025年度 美術工芸品修理のための用具・原材料と生産技術の保護・育成等促進事業 報告会」(令和8(2026)年2月6日開催、https://www.tobunken.go.jp/info/event/2026/0206/)にて報告予定です。
東京国立博物館での講演
令和7(2025)年11月15日、東京国立博物館・平成館大講堂にて開催された月例講演会に、文化財情報資料部研究員の田代裕一朗(東京国立博物館学芸研究部調査研究課東洋室 研究員 併任)が登壇し、「韓国のやきもの、その美を探る」と題した講演を行いました。本講演は、東洋館で開催されていた「博物館でアジアの旅 日韓国交正常化60周年 てくてくコリア―韓国文化のさんぽみち―」展(9月23日~11月16日)の関連企画として実施されたものです。
講演では、まず展示作品を中心に、高麗時代の青磁から朝鮮時代の粉青沙器・白磁に至るまで、時代ごとの美的特徴を概観しました。そのうえで鑑賞史をひもときながら、やきものに向けられた日本人と韓国人のまなざしの違いについて、講師の韓国での体験談を交えた解説が行われました。
今回の講演は、単なる知識の伝達にとどまらず、展示を通して実物を見て確かめることのできる機会であったことから、韓国のやきものについて考えていただくうえで、有意義な場となったのではないかと思います。今後も、論文や研究発表などの学術研究活動と並行しながら、そうした活動を通して得られた成果や知見を、広く社会に還元していければと考えています。
参考:東京国立博物館 講演会・講座
https://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=list&cid=1
活動報告「京都府寺院重宝調査記録(赤松調書)データベースの公開」
京都府文化財保護課には、戦前から今日に至るまでの京都府内の文化財調査に関わる膨大な資料群が所蔵されています。この資料群の重要性と、また将来に渡って保存すべき公共性を鑑みて、東京文化財研究所と京都府教育委員会は平成30(2018)年に資料のデジタル化に関する共同事業の覚書を取り交わし、京都府から寄託された資料の整理とアーカイブの構築に取り組んでまいりました。
このたび、その資料群のうち「赤松調書」と通称される京都府寺院重宝調査記録の目録とデジタル化した調書のデータベースを公開いたしました。京都府文化財保護課長を務めた赤松俊秀(1907~1979)が中心となって昭和16(1941)年から京都府内で網羅的に実施した宝物調査の記録文書で、一部に欠本があるものの現存する簿冊92冊、調書21,871点、調査対象となった寺院は1,581件にのぼります。これまで京都府の内部資料として保管されてきた赤松調書をすべてデジタル化し、記載された宝物の情報を可能な限り目録として登録した唯一無二のデータベースです。調査された宝物の中には、すでに災害や盗難によって失われたものも含まれており、80年以上を経た記録としてとても貴重な資料です。調書のデジタル画像は資料閲覧室で公開しており、目録の一部は東京文化財研究所のウェブサイトからもアクセスが可能です。なお、京都府から寄託されている他の資料についても漸次整理を進めており、今後公開してまいります。
赤松調書のデジタル化と整理には約5年を要し、その間に5名の学生アシスタントの方々が入力作業に尽力してくださいました。本データベースが今後の文化財研究の一助となることを願うと同時に、ご協力いただいた皆様に心より御礼を申し上げます。
WordCamp Kansai 2025への参加
東京文化財研究所では、平成26年(2014)年にウェブコンテンツ管理システム WordPress を利用した文化財情報データベースを開発し、現在まで運用を継続しています。 およそ10年におよぶ運用を通じて得られた知見について、折に触れて学会等で報告してきましたが、令和7年(2025)年11月2日にはWordPressの地域コミュニティが主催するカンファレンス WordCamp Kansai 2025(https://kansai.wordcamp.org/2025/) において、「データベース構造から改めてWordPressを考える」と題し、文化財情報資料部の小山田智寛、石灰秀行、二神葉子が報告を行いました。
WordPressの画面デザインやデータの入力方法に関しては、多くの情報が公開されています。しかし、データベース構造に関する情報はそれほど多くはありません。東京文化財研究所では、WordPressを文化財情報データベースの公開システムとして利用しているため、WordPressのデータベース構造と文化財情報をどう組み合わせるか、という課題に運用開始以来取り組んでいます。 セッションでは、この観点から、 WordPressのデータ保存の仕組みについて、東京文化財研究所でこれまでに公開してきた文化財情報データベースの実例を取り上げて解説しました。また、WordPress上で大きな画像ファイルをBase64エンコードでテキスト化して取り扱う検証や、文化財情報の公開のために作られたCMS(コンテンツ管理システム)であるOmeka S (https://omeka.org/s/)とWordPressの比較等についても報告いたしました。
質疑応答では、東京文化財研究所で行っている検証について、表示速度が落ちるのではないか、との指摘がありました。一般的なウェブサイトでは表示速度は重要な指標です。しかし東京文化財研究所にとっては、テキストをプリントアウトすることによるバックアップの可能性の検証にもなることを説明いたしました。
このようにセッションを通して、一般的なブログや企業ウェブサイト構築とは、技術的な優先度が異なる点が明らかになるなど、カンファレンス参加者の関心を引くことができました。今後も文化財情報の発信に加えて、その管理や保存についても最適な方法を研究して参ります。
国宝修理装潢師連盟 第29回定期研修会でのポスター発表
東京文化財研究所は、令和4(2022)年度より文化庁が進める「文化財の匠プロジェクト」の一環である「美術工芸品修理のための用具・原材料と生産技術の保護・育成等促進事業」に携わっております。令和7(2025)年10月3日、一般社団法人国宝修理装潢師(そうこうし)連盟が主催する第 29 回定期研修会において、本事業の成果である「文化財(美術工芸品)の修理記録データベース」についてポスター発表を行いました。
国宝修理装潢師連盟は、絵画、書跡・典籍、歴史資料といった美術工芸品を中心とした文化財の保存修理を専門に行う技術者の集団であり、現在の加盟工房は10社、所属する登録技術者は約140名に及びます(令和7年時点)。同連盟は、国の選定保存技術である装潢修理技術の保存団体に認定されており、年に一度開催される定期研修会には、各地から多くの修理技術者や専門家が集います(令和7年度の参加者数は376名)。
当日は、朝賀浩・皇居三の丸尚蔵館特任研究員ならびに綿田稔・文化庁文化財第一課主任文化財調査官より、肖像画と水墨画の鑑賞と保存にまつわる講演が行われました。また、各加盟工房により修理事例の報告がなされる中、東京文化財研究所は「文化財(美術工芸品)の修理記録データベースについて―「美術工芸品修理のための用具・原材料と生産技術の保護・育成等促進事業」事業報告―」という表題にてポスターセッションに参加し(発表者:山永尚美・小山田智寛・田良島哲・江村知子(文化財情報資料部))、データベース構築にあたっての調査手順、データ構造、収録範囲、今後の展望と課題、またその利用方法について報告しました。
会場では、修理技術者、博物館関係者、美術工芸品の修理を学ぶ大学院生などから多くの質問や感想をお寄せいただき、あわせて様々な理由から近年継承が困難になりつつある修理記録についても情報を得ることができました。こうして得られた知見は本プロジェクトへと還元し、引き続き修理記録の資源化やデータベースの運用に活かしていきたいと考えています。
イタリア諸機関における美術資料・歴史文書の調査
文化財情報資料部では、日本に関する美術資料およびその背景となる歴史的資料の調査を行っています。令和7(2025)年10月にはイタリアを訪問し、ローマおよびフィレンツェにおいて関連資料の調査を実施しました。
ローマのEUR地区に設立された文明博物館(Museo delle Civiltà)にはかつてイタリア国立東洋美術館およびピゴリーニ国立先史民族博物館の所蔵であったコレクションが収蔵されています。同館の東洋美術部門(Arti e Culture Asiatiche)のピエルフランチェスコ・フェーディ博士と面会し、作品調査および所蔵資料の照会を行いました。基盤となるジュゼッペ・トゥッチのコレクションをはじめ、ラグーザ夫妻のコレクションを含むピゴリーニ・コレクションに関する有意義な情報交換を行うことができました。
そして、ローマのリオーネ・ピーニャ地区にあるイタリア下院附属歴史公文書館(Archivio Storico della Camera dei Deputati)を訪問し、同館ディレクターであるパオロ・マッサ氏と面会しました。面会では、ムッソリーニ政権期における日本との文化交流および美術外交に関する一次資料の所在を確認することができました。これらの資料は、日伊間の外交関係における美術行政の実態を示す貴重な記録であり、当時の文化政策を考察するうえで極めて重要な史料といえます。
同館は、サルデーニャ王国期の1848年に議会活動を支援する目的で創設され、1865年にモンテチトリオ宮殿へ移転後、百年以上にわたり議会の知的基盤として機能してきました。1988年に一般公開が開始され、2007年には上院図書館と連携する「議会図書館センター(Polo Bibliotecario Parlamentare)」が設立されています。
イタリア下院の文書遺産は、1848年から今日に至るまで下院によって作成・取得された原資料および議会政治に関わる私的文書群から構成されており、同館のウェブサイトでは、電子化された目録や写真資料、デジタル・アーカイブなどを閲覧することができますhttps://archivio.camera.it/。
フィレンツェでは、アリナーリ写真財団(Fondazione Alinari per la Photographia)を訪問し、同財団ディレクターであるクラウディア・バロンチーニ氏と面会しました。19世紀にイタリアで最初の写真館として創立されたフラテッリ・アリナーリ社の事業を継承し、写真の保全と写真文化の普及を使命とする同財団は、美術館の開館準備中であり、現在はウェブサイト上で所蔵資料を公開しています。東文研の所蔵する森岡柳蔵旧蔵資料はこのフラテッリ・アリナーリ社による写真が大多数を占めるほか、矢代幸雄によるイタリア美術の写真もまた、同社に所属した写真師との関係が知られています。面会においては、東文研の所蔵するこれらの資料について、また東文研の活動について説明し、情報交換を行いました。
[森岡柳蔵旧蔵資料]
https://www.tobunken.go.jp/materials/katudo/2056691.html
今回の訪問を通じて、イタリアにおけるアーカイブは、記録の保存のみならず、「記憶を守る聖域」として位置づけられていることを強く感じました。このような認識は、文化財を「共有知」として扱ううえで、欠くことのできないものであり、知の「共有」と「責任」のあり方を見つめ直す貴重な示唆を得るものとなりました。
美術市場のメカニズムを知る―令和7年度第7回文化財情報資料部研究会の開催
東京文化財研究所が所蔵する重要な図書コレクションとして「売立目録」があります。売立目録とは個人や名家が所蔵する美術品を「売立会(入札会)」で売却するために作成・配布された冊子で、当研究所には明治時代後期から昭和時代までに発行された売立目録が計2,532冊所蔵されています。これは公的な機関としては日本最大のコレクションで、美術品の来歴調査などに日々活用されています。
この「売立会(入札会)」において、美術品は、世話人・札元による仲介のもと、独自の入札方式で競られました。これは高額を提示して競り上がっていくオークションとは異なり、日本的な商慣習に裏打ちされたものでした。しかし現在、売立目録自体は頻繁に参照されている一方で、その制度的背景や運営の実態については十分に理解されているとは言いがたく、「売立会(入札会)=オークション」と混同される例も少なくありません。日本の美術市場は、欧米とは異なる独自の取引形態のもと、発展・展開してきた点に特徴があります。研究者が美術市場のメカニズムを知り、資料に対する理解を深める機会として第7回文化財情報資料部研究会「美術市場のメカニズムを知る」を令和7(2025)年10月9日に開催しました。
研究会では、研究会の企画者である田代裕一朗(文化財情報資料部)による司会のもと、まず川島公之氏(東京美術商協同組合 理事長、繭山龍泉堂 代表取締役社長)が、「売立、交換会について」と題して日本型の美術市場について解説し、つづいて山口桂氏(クリスティーズジャパン 代表取締役社長)が「オークションについて」と題して欧米型の美術市場を紹介しました。両氏の発表を通じて、日本と欧米における美術市場の構造的な違いが浮かび上がり、また発表後には質疑応答の時間も設けられ、研究者にとって普段深く知る機会がない美術市場のメカニズムを両氏から直接学ぶ貴重な機会となりました。
美術史研究は、美術館・博物館の学芸員や大学教員といった職業的研究者の知見のみによって支えられているものではありません。文化財情報資料部研究会が、こうした多様な視点を取り込み、広く研究に資する知見を獲得する機会となれば幸いです。
(参考)
売立目録デジタルアーカイブに関して:https://www.tobunken.go.jp/japanese/uritate.html
専門端末の予約に関して:https://www.tobunken.go.jp/joho/japanese/library/application/application_uritate.html
「山崎架橋図」の光学調査—令和7年度第6回文化財情報資料部研究会の開催
東京文化財研究所は令和6(2024)年に和泉市久保惣記念美術館と共同研究の覚書を締結し、同館所蔵作品の調査研究を行っています。「山崎架橋図」は現在の京都府乙訓郡大山崎町と京都府八幡市の間、桂川・宇治川・木津川が合流して淀川になる地点で、宝積寺の本尊・十一面観音が老翁に化身して山崎橋を架けた、という奇談を描いています。画面には橋の工事にまつわる劇的な霊験譚と人々の風俗表現が、天王山と男山の風景や宝積寺の景観描写の中に溶け込むように表されています。この作品は美術史だけでなく、歴史学や国文学の研究においても注目されてきました。現在では経年変化により、微細な表現や画面下方の縁起文は見づらくなっていますが、画面に存在する情報を最大限引き出すことを目指して2回にわたり光学調査を実施してきました。
今回の研究会では江村知子が「山崎架橋図の光学調査について」と題した発表を行い、コメンテーターとして和泉市久保惣記念美術館長の河田昌之氏より、「山崎架橋図」の研究史と課題についてご発言いただきました。令和7(2025)年3月に刊行した「山崎架橋図」のリーフレットは、近日、東京文化財研究所リポジトリで公開予定です。さらに、より多くの研究者が高精細画像を閲覧できるように、デジタルコンテンツの作成とウェブ公開も計画しています。この共同研究の成果が広く活用され、作品への理解が深まることを目指してまいります。
狩野派の規範性―令和7年度第5回文化財情報資料部研究会の開催
令和7(2025)年9月16日、第5回文化財情報資料部研究会が開催されました。今回は二つの研究発表が行われ、狩野派の規範性とその継承について多角的に議論が深められました。
水野裕史氏(筑波大学准教授)は「探幽様式としての孔子像―図像の規範化をめぐって」と題し、狩野探幽が確立した様式の意義について報告しました。探幽様式は近世絵画において高い規範性をもち広く受容されましたが、道釈人物画への影響、とりわけ孔子像に関しては従来十分に論じられてきませんでした。
中世に基本像容が成立していた孔子像を、探幽は整理・簡略化し粉本として再構築しました。その図像は諸藩の孔子廟や藩校に広く伝わり、礼制空間にふさわしい「標準図像」として定着したと考えられます。水野氏は『公用日記』(天保15年・1844)の記録を紹介し、探幽様式の孔子像が制度的基準として扱われていたことを明らかにしました。また、各藩に伝わる作例には独自の解釈や装飾が加えられる例もあり、規範が一方的に固定されるのではなく、継承と変容の両面が見えてくる点が強調されました。さらに近世後期には、呉道玄様式や中世的要素を参照する傾向も現れ、探幽様式が唯一の規範でなくなっていく動向についても触れられました。
つづいて小野真由美(文化財情報資料部日本東洋美術史研究室長)が「狩野常信の詠歌活動に関する一考察」と題し、狩野常信(1636~1713)の文芸活動について報告しました。常信は木挽町狩野家の当主であると同時に優れた歌人でもありました。和歌会への参加記録や歌集を通してみると、詠歌活動は大名や文化人との交流を広げ、狩野家における地位の向上に寄与したことがうかがえます。また、和歌と画業との関わりを検討することで、画家であり歌人でもあった常信像を改めて評価する試みがなされました。
今回の二つの発表は、狩野派における規範の形成とその継承、そして絵師個人の個性や独自性に光を当てるものでした。規範性を静的にとらえるのではなく、時代や地域に応じて変容する動的な姿を見出す契機となり、有意義な研究会となりました。今後も狩野派研究を、規範と個性の双方から捉える視座へと発展させていきたいと考えています。
吉良文男旧蔵図書の受贈
資料閲覧室では、このたび陶磁史研究家であった吉良文男氏(1941~2022)の旧蔵図書を受贈しました。
美術専門出版社であった座右宝刊行会に入社し、斎藤菊太郎氏のもと「編集者」として活動を始めた吉良氏は、『世界陶磁全集』(1975年~全22巻)、そして『世界美術大全集』東洋編(1997年~ 全18巻)などの編集に携わりながら、世界各地を取材し、編集と研究(陶磁史)を両輪で展開させていきました。昭和59(1984)年には後に東南アジア陶磁史上重要な発見となるタイ北西部のターク県メーソート出土の陶磁器をいちはやく現地から日本に報告したことでも知られています。多岐に渡る業績のなかでも特に東南アジア陶磁史、韓国陶磁史の研究にとりわけ大きな足跡を残し、東洋陶磁学会常任委員を長く務め、また平成11(1999)年には第20回小山冨士夫記念賞を受賞されました。
文化財情報資料部では、このたびご遺族のご協力をいただきながら、プロジェクト「日本東洋美術史の資料学的研究〔シ02〕」の一環として、令和7(2025)年1月に田代裕一朗研究員が、香川の自宅に遺された旧蔵図書の調査をおこない、東南アジア陶磁、韓国陶磁に関する外国書を中心にその一部を受贈しました。これらのなかには、日本国内の図書館に所蔵がなく、研究所が唯一の所蔵機関となる図書も含まれています。一連の資料は、巨視的に見た時、単に陶磁史の領域に留まらず、アジア文化の理解にも役立つ日本唯一の手がかりにもなると思われます。日本における中核的な文化財研究機関として、目先の意義や成果だけを追い求めるのではなく、長期的な視座に立って、先学が積み上げた遺産を大切に継承し、日本の「知」に資することができれば幸いです。
学術的に非常に貴重な資料をご寄贈くださったご遺族様にこの場をお借りして篤く御礼申し上げます。
ワット・ラーチャプラディットにおける学術セミナーへの参加
令和7(2025)年9月10日、タイ・バンコクのワット・ラーチャプラディットでのタイ文化省芸術局(以下、「芸術局」)主催の学術セミナー「ラーチャプラディット 美の鑑賞」に二神葉子(文化財情報資料部文化財情報研究室長)が参加しました。ワット・ラーチャプラディットは1864年にラーマ4世王が建立した王室第一級寺院で、拝殿の窓や出入口の扉には、寺院建立と同時期に日本で制作された漆塗りの部材がはめ込まれています。東京文化財研究所は扉部材について、修理への技術的な支援と調査研究を行うとともに、同寺からの受託で、修理後の扉部材を現地保存するための調査研究を実施しています。
セミナーは芸術局のパノムプート・チャントラチョート局長の開会挨拶で始まりました。午前の第1部は「芸術の継承と創造、二つの国の遺産」と題し、漆扉部材の修理事業について同寺の僧侶や芸術局の専門家が報告を行い、日本側からは、二神が漆扉部材の修理及び調査研究事業のコンセプトについて報告しました。また、「統合から創造的な着想へ、未来への拡大」と題された午後の第2部では、いずれも東京文化財研究所の職員が参加した、扉部材の現地保存に関する令和7(2025)年6月の調査や、令和6(2024)年11月のタイ北部での材料調査の概要を芸術局の専門家が報告しました。日本側からは、漆扉部材に用いられた伏彩色螺鈿技法の特殊性について山下好彦氏(漆工品保存修復専門家・研究者)が報告、令和6(2024)年6月に芸術局と共同で行った、伝統的な材料に関する日本での調査について二神が報告しました。
当日はこのほか、扉部材や材料に関する実物やパネル展示、芸術局による新作舞踊「螺鈿扉の舞 日タイの喜楽」の発表、屋台での和食の提供などのアトラクションもあって、盛況を博しました。筆者にとっても、東京文化財研究所の活動についてタイの幅広い関係者に報告する機会として有意義な一日となりました。
セインズベリー日本藝術研究所との研究協議
令和7(2025)年8月5日、イギリス・セインズベリー日本藝術研究所(SISJAC)の所長サイモン・ケイナー氏と研究員であるユージニア・ヴォグダノワ氏が東京文化財研究所を来訪し、共同研究「日本芸術研究の基盤形成事業」に関する協議を行いました。平成25(2013)年から開始した本事業では、SISJACの職員からイギリスを中心とした日本国外における日本美術研究に関する文献や展覧会情報を、総合検索(https://www.tobunken.go.jp/archives/)に提供してもらっているほか、文化財情報資料部の研究員が毎年イギリスを訪れて講演会やワークショップ、作品調査を行っています。
今回の研究協議ではデータベース事業の報告のほか、12月に予定されている研究員の訪英について話し合いました。協議の後半では、データベース事業を担当しているSISJAC職員のマシュー・ジェームズ氏がイギリスからオンラインで参加し、日本国外における情報収集の方法や基準、またデータの入力方法について具体的に検討することができました。移動が制限されたコロナ禍の3年間は渡英や訪日が叶わず、研究協議は主にオンラインで行なっていました。現在は職員同士の対面での研究交流を再開することができましたが、特に海外の連携機関とはオンラインを併用して協議を行うなど、今後も利便性を図りつつ交流を続けてまいります。
松島健旧蔵資料の公開
東京文化財研究所では、かつて在籍した職員や研究者の文化財研究に関わる資料を収蔵し、その整理と公開に努めています。令和5(2023)年に寄贈を受けた故・松島健氏の資料もそのようなOB・OG資料のひとつであり、この度整理が終わってすべての資料を公開いたしました(松島健旧蔵資料 :: 東文研アーカイブデータベース)。仏教彫刻史を専門とした松島健氏は文化庁美術工芸課主任文化財調査官を経て東京国立文化財研究所情報資料部長を務めましたが、病のため1998年に逝去されました。ご遺族から資料の寄贈を受けて以来、少しずつ整理を進めておりましたが、この度すべての資料を公開する運びとなりました。その内容は文化庁時代に松島氏が携わった文化財指定の資料や修理記録、研究資料、紙焼き写真、仏像の調査記録、直筆の研究ノート等、文化財行政官としてあるいは彫刻史研究者としての営為を示すものです。寄贈された当初から資料の大部分は分類され、あるいは年代ごとにファイルに収められており、また、制作年代の判明する仏教彫刻を自ら年表としてまとめた手書きノートなどからは研究者としての松島氏の几帳面かつ真摯な人柄が偲ばれました。研究者が遺したこのような資料群には貴重かつ唯一無二の情報が含まれていますが、ともすると管理・公開する場に恵まれず、最悪の場合は廃棄されてしまうことがあります。東文研は創設期から美術資料のアーカイブ構築を使命としてきた機関であり、人手や予算は決して潤沢ではありませんが、これからも研究資料の蒐集と公開に取り組んでまいります。
長谷川公茂氏旧蔵円空資料の寄贈
長谷川公茂氏(1933〜2023)は、在野の研究者として江戸時代の仏師・円空の研究に生涯に亘って取り組み、長く円空学会の理事長を務めました。円空(1632〜95)は修験道の僧侶として全国を行脚し、訪れた土地で造った仏像は現在でも全国に数千体が残されています。長谷川氏の没後にご遺族から寄贈の相談を受けて、文化財情報資料部の米沢玲が奈良国立博物館の三田覚之氏とともに資料の整理のために定期的に愛知のご自宅を訪れて作業をしてきましたが、令和6(2024)年10月に正式に寄贈を受けたのち、このたびすべての資料を受け入れることができました。全国の円空仏を訪ね歩き、写真撮影や調査記録の作成を続けてきた長谷川氏のご自宅には膨大な資料が遺されていました。入手が困難な文献資料や各地の円空仏の写真資料はもちろん、中には盗難などによって失われた作品の写真も含まれており、円空研究においてまさに一級の資料群といえます。整理作業には東京文化財研究所の江村知子、田代裕一朗、黒﨑夏央、そして関西学院大学の大﨑瑠生氏が参加した他、生前の長谷川氏と円空研究を共にした舩橋昌康氏、加藤奨氏、落合克吉氏にご協力をいただきました。多くの人に活用していただくためにも、これから数年をかけて資料の整理に取り組み、円空アーカイブとして公開できるよう務めてまいります。
“南方”を視覚化する―令和7年度第4回文化財情報資料部研究会の開催
今年の4月から8月までの5か月間、米・ラトガース大学アソシエート・ティーチング・プロフェッサーの呉景欣(ウー・ジンシン/Wu, Chinghsin)氏が来訪研究員として当研究所を拠点に活動されました。近代美術を専門とする呉氏は2007年にも当研究所の来訪研究員として来日し、古賀春江を中心とする日本のシュルレアリスムについて調査研究を進めましたが、この度の滞在では、近代日本美術における台湾のイメージを研究課題として取り組みました。
7月17日には、呉氏と山梨県立美術館学芸員の森川もなみ氏の発表による文化財情報資料部研究会をオンライン併用で開催しました。呉氏は「近代日本画家の台湾における活動と画業の発展-木下静涯と同時代の日本画家たちの渡台前後の作品を中心に」のタイトルで発表、植民地時代の台湾で活躍した日本画家の木下静涯(1887~1988)や郷原古統(1887~1965)を取り上げ、渡台後の画題や画風にみられる変化について考察しました。森川氏の発表「三水公平の南方従軍スケッチ―戦時下における日本の占領地・植民地の記録」では、油彩画家・三水公平(1904~1997)による戦時下の従軍スケッチを紹介し、インドネシアやシンガポール、台湾、満洲等で制作されたスケッチに、日本の占領地の様子を視覚的に伝える歴史資料としての価値があることを指摘しました。発表後のディスカッションでは、戦前期の日本人画家による“南方”のイメージについて発表者の間で意見を交換、さらに所内外の研究者も交え、静涯や古統のとくに花鳥画に見られる画風や、戦時下の占領地における三水のスケッチの意義について議論を重ねました。
『日本美術年鑑』の現状と課題―令和7年度第3回文化財情報資料部研究会の開催
『日本美術年鑑』(以下、『年鑑』https://www.tobunken.go.jp/joho/
japanese/publication/nenkan/nenkan.html)は日本国内における一年間の美術界の動向を一冊にまとめたデータブックで、昭和11(1936)年に東京文化財研究所の前身である帝国美術院附属美術研究所で初めて刊行されて以来、現在も刊行が続けられています。2025年1月刊行の令和4年版からは、長らく『年鑑』を構成していた項目のうち「定期刊行物所載文献」を掲載せず、データベース上でのみ公開するという大幅なリニューアルを行いました。
令和7(2025)年6月5日に開催された文化財情報資料部研究会では、黒﨑夏央(当部アソシエイトフェロー)が「『日本美術年鑑』の現状と課題」と題して発表を行いました。この度の『年鑑』のリニューアルについて報告するとともに、今後の『年鑑』の課題についても検討しました。東京で入手できるメディアを情報源としている『年鑑』に掲載される展覧会情報は、おのずと関東地域に偏るという問題点があります。その打開策のひとつとして、他機関との連携による新たな情報収集を提案しました。発表後のディスカッションでは、当研究所で『年鑑』の刊行を続け、編年的な歴史記録を編んでいくことの意義や、他機関との連携に際して予想される問題点などについて意見が交わされました。
今後は、『年鑑』独自の項目である「展覧会図録所載文献」のさらなる充実を目指すとともに、美術界を記述・把握するためにこれまで培ってきた分類体系を反映したデータベースの構築と、所内で入力した「定期刊行物所載文献」の情報を即時に公開する仕組みの導入を考えています。長い歴史を歩んできた『年鑑』の刊行事業を継続するだけでなく、現代的な情報提供のあり方をふまえて、多くの方にとってより利用しやすい情報発信ができるよう努めてまいります。
