研究所の業務の一部をご紹介します。各年度の活動を網羅的に記載する『年報』や、研究所の組織や年次計画にもとづいた研究活動を視覚的にわかりやすくお知らせする『概要』、そしてさまざまな研究活動と関連するニュースの中から、速報性と公共性の高い情報を記事にしてお知らせする『TOBUNKEN NEWS (東文研ニュース)』と合わせてご覧いだければ幸いです。なおタイトルの下線は、それぞれの部のイメージカラーを表しています。

東京文化財研究所 保存科学研究センター
文化財情報資料部 文化遺産国際協力センター
無形文化遺産部


CIDOC 2019(第25回ICOM京都大会2019)での発表

日本語の漢字における異体字の例
総合検索における異字体検索の仕組み

 ICOM(国際博物館会議)は1946年に創設された、博物館に関する情報の交換や共有を目的とした非政府機関です。3年ごとにICOMのすべての委員会が参加する大会が開かれますが、今年は京都で開催されました。文化財情報研究室からは3名の職員が参加し、博物館コレクションのドキュメンテーションを専門とする委員会、CIDOCにて日本語の検索の問題について「Two solutions for orthographical variants problem(表記ゆれに対する二つの解決方法)」と題した発表を行いました。
 漢字やひらがな、カタカナを使い分ける豊かな表記は日本語の特徴の一つです。しかしこの特徴は、情報検索の現場では、例えば龍と竜、藝と芸のような表記ゆれとなってあらわれ、検索漏れの原因となります。発表では特に人名の表記に焦点をあて、当研究所のウェブデータベースで行っている表記ゆれへの対応について報告しました。
 このような表記ゆれは日本語に特有の問題ではありません。例えば、英単語の単数形で検索した際に、複数形も結果に含めるには、システム的な工夫が必要です。文化財には普遍的な価値がありますが、一方でそのドキュメント化には、それぞれの地域に由来する問題が存在します。システムの立場からも、文化財における普遍性と地域性の問題について考えていきたいと思います。

「ICOM京都大会ICFA委員会における研究成果の公表と情報の共有「水口レイピアー日本で造られたヨーロッパの剣」」

ICOM京都大会ICFA委員会での発表風景

 令和元(2019)年9月1日(日)より7日(土)までの一週間、国立京都国際会館をメイン会場として開催された第25回ICOM(国際博物館会議)京都大会のICFA(International Committee for Museums and Collection of Fine Arts)委員会(美術の博物館・コレクション国際委員会)が3日に開催した個別セッション2「アジアの博物館における西洋美術、西洋博物館におけるアジア美術」において、文化財情報資料部の小林公治が甲賀市教育委員会の永井晃子氏と共同で、Minakuchi Rapier, European Sword produced in Japan(水口レイピア、日本で造られたヨーロッパの剣)と題して発表を行いました。
 17世紀初め頃にもたらされたヨーロッパ製の細形洋剣を日本国内で模して製作されたこの水口レイピア(甲賀市藤栄神社所蔵十字形洋剣)については、2013年以来国内外の専門家と共同で調査と研究を行ってきたところであり、その経過と成果についてはこれまでもこの活動報告で一部を報告してきましたが(第10回文化財情報資料部研究会「甲賀市藤栄神社所蔵の十字形洋剣に対する検討」の開催 https://www.tobunken.go.jp/materials/katudo/243895.html、甲賀市水口藤栄神社所蔵十字形洋剣に対するメトロポリタン美術館専門家の調査と第7回文化財情報資料部研究会での発表 https://www.tobunken.go.jp/materials/katudo/247392.html)、今回の発表では、これまでの調査後に新たに実施した大型放射光施設SPring-8での剣身部分析結果や、その後の歴史的検討を含めた全体的な内容を加えたほか、地球規模での文化交流が起きた17世紀の日本にこうした洋式剣が存在し、さらにそれに良く似せた模造品の製作がこの当時に行われ現在まで伝世していることを欧米を含む世界に向けて発信することを目的として行ったものです。
 満席の発表会場からは洋式剣が模造製作された背景にはどのような意識があったのかといったさまざまな質問や議論がなされ、こうした文化財が日本に存在することに対して広い関心が示されました。

南蛮漆器の成立過程と年代-第6回文化財情報資料部研究会の開催

研究会の様子

 令和元(2019)年9月24日に開催された今年度第6回文化財情報資料部研究会では、文化財情報資料部広領域研究室長の小林公治が「南蛮漆器成立の経緯とその年代―キリスト教聖龕を中心とする検討―」と題した発表を行いました。
17世紀前半を中心に京都で造られ欧米に輸出用された南蛮漆器が、いつどのようにして始まったのか、という問題についてはいまだ確定的な見解がありません。またキリスト教の聖画を収める箱である聖龕は、これまで南蛮漆器のそればかりが注目されてきましたが、発表者は、日本のセミナリオで絵画を学んだヤコブ丹羽が描いたという救世主像が収められている東京大学総合図書館所蔵聖龕など、隠れキリシタン集落として知られる茨木市の千提寺・下音羽地区に伝えられてきた国内向けキリスト教聖龕と世界各地に所蔵される南蛮漆器聖龕とを総合的に検討し、双方に認められる無文の飾金具を持つ一群を、年代がほぼ確定される豊国神社所蔵蒔絵唐櫃や高台寺蒔絵と南蛮漆器文様を併せ持つ岬町理智院所蔵豊臣秀吉像蒔絵螺鈿厨子、さらに古様の蒔絵棚飾金具などと比較した結果、それらが16世紀末から17世紀初めにかけての年代が想定される最古の聖龕群であるとの判断を得ました。
 またこうした古式聖龕への判断は、発表者が過去に検討した南蛮漆器書見台とも整合的であり、その成立年代は聖龕よりもやや遅れる17世紀初め頃と想定されるという見解も得られました。
 本発表で行った検討は、南蛮漆器の成立経緯や年代を探ることを目的として行ったものですが、こうした見解が認められるのであれば、それは聖龕の中に収められている聖画や額縁の制作者や制作地、また豊臣秀吉や徳川幕府による禁教令と布教活動との関係など、17世紀初めを前後する時期の日本におけるキリスト教信仰や交易の実態といったさまざまな問題を再考するきっかけにもなるものかと思われます。
 当日は、初期西洋画修復家である武田恵理氏や鶴見大学小池富雄氏、また桃山時代の漆工品展覧会を開催されている美術館からなど、多くの関連分野研究者にもご出席いただき、手法的な側面を含め活発な討議が行われました。

第四回「箕の研究会」の開催

箕振りの様子

 2019年9月26日、東京文化財研究所において、有志の研究会である「箕の研究会」の第四回目が開催されました。
 箕の研究会は、穀物の脱穀調整や運搬等に用いる民具である「箕」に関わる技術、文化を研究し、その継承を考える会です。平成29(2017)年に東京文化財研究所で開催された「箕サミットー編み組み細工を語る」を発端に、箕に関心を持つ有志によって結成されました。メンバーは民俗学、考古学、デザイン工学、植物学などの専門家や、箕をはじめとする手仕事品の作り手、売り手、使い手などで、これまで年2回程度の研究会によって、研究の成果や課題を共有する活動を続けてきました。
 第四回研究会においては研究報告に加え、異なる産地の箕による箕振り実験も行われました。使用したのは面岸箕(岩手)、太平箕(秋田)、木積の箕(千葉)、論田・熊無の箕(富山)、阿波箕(徳島)、日置箕(鹿児島)、中国の柳箕、韓国の網代箕、マレーシアの箕で、麦、米、エゴマの選別を実験しました(うち太平、木積、論田・熊無はその製作技術が国の無形民俗文化財に指定)。こうして実際に箕を使い比べてみることで、箕の機能に対する理解を深めることができ、各箕の造形的意味や素材選択の意味、地域による使い勝手(機能)の違いを検証するための基礎情報を得ることができました。
 研究会では引き続き、各地の箕について研究を深めていくとともに、その製作技術、使用文化の継承についても、作り手、売り手とともに考えていきます。

大韓民国国立無形遺産院との研究交流(来訪研究員の受入)

宮崎県椎葉村における焼畑の耕作地の見学

 東京文化財研究所無形文化遺産部は平成20(2008)年より大韓民国の国立無形遺産院と研究交流を継続しています。その一環として令和元(2019)年9月17日から10月4日にかけて、国立無形遺産院の姜敬惠氏を来訪研究員として受け入れ、研究交流を行いました。
 今回の研究交流における姜敬惠氏の研究テーマは、日本における無形文化遺産としての農耕に関連した民俗技術の調査、特に焼畑農耕の現状に関するものでした。そこで私たち無形文化遺産部では、姜敬惠氏の現地調査に同行し、その研究の協力を行いました。
 滞在中には国内の二か所で現地調査を行いました。一か所目は静岡県静岡市の井川で、大井川の上流部に位置する山間の地域です。ここではかつて焼畑が盛んにおこなわれていましたが、戦後しばらくするとほとんど衰退し、かろうじて神社の祭礼に用いる粟を栽培するためだけに行われていました。しかし近年、民間の団体が主体となって焼畑を復活させて伝統作物の栽培を振興させようという動きが進んでいます。
 二か所目の調査地は宮崎県椎葉村で、九州中央山地の中に位置する山間の地域です。ここでもかつて焼畑は盛んに行われていましたが、戦後しばらくするとほとんど衰退し、かろうじて一軒の農家だけがその技術を継承してきました。しかしその農家を中心として焼畑を振興する団体が活動を行ってきたのに加え、小学校の体験学習で焼畑が行われたり、近年では新しい焼畑の保存会が立ち上げられたりするなど、盛り上がりを見せています。椎葉村の焼畑農耕技術は、平成24(2012)年に村指定の無形民俗文化財、平成28(2016)年に県指定の無形民俗文化財となっています。これに加え、平成27(2015)年に世界農業遺産「高千穂郷・椎葉山地域」に認定され、その存在は広く知られるようになってきました。
 韓国では、平成28(2016)年に「無形文化財保全および振興に関する法」が施行され、無形文化遺産としての伝統知識に対する関心が高まっており、韓国文化財庁でも平成29(2017)年から令和2(2020)年まで、現在伝承されている農耕に関連した伝統知識を調査しており、基礎資料データの蓄積や文化財指定などに活用しようとしているとのことでした。しかし韓国でも焼畑農耕の技術はすでにほとんど失われており、まだ文化財として指定に至ったものはないとのことでした。
 日本では、椎葉村の焼畑農耕技術が県と市の指定による無形民俗文化財となっていますが、農耕関連技術で国による指定を受けたものはまだひとつもありません。しかし井川や椎葉村で見てきたように、民間の団体がイニシアチブをとって焼畑を振興しようという動きが見られることは注目すべきです。また世界農業遺産のように、従来の文化財とは異なる枠組みを活用することも、今後は重要になってくるかもしれません。
 このように、焼畑をはじめとした伝統的な農耕技術をいかに保存し活用していくかについては、日本も韓国も共通した課題を持っているといえます。今回の共同研究で情報を交換し議論を進めることで、こうした共通の課題を解決するための糸口が見つかれば、意義深いことであると思います。

国際研修「紙の保存と修復」2019の開催

実習の様子

 令和元年(2019)年9月9日から27日にかけて、国際研修「紙の保存と修復」を開催しました。本研修は東京文化財研究所とICCROM(文化財保存修復研究国際センター)の共催で平成4(1992)年より開催しており、海外からの参加者へ日本の紙本文化財の保存と修復に関する知識や技術を伝えることを通じて、各国における文化財の保護に貢献することを目指しています。本年は33カ国71名の応募の中から選ばれた10か国(アイルランド、アメリカ、イギリス、イタリア、ウクライナ、エストニア、オーストラリア、カタール、カナダ、中国)10名の文化財保存修復専門家が参加しました。
 研修は講義、実習、見学で構成されています。講義では日本の文化財保護制度や和紙の基礎的な知識、伝統的な修復材料や道具について取り上げました。また、国の選定保存技術「装潢修理技術」保持認定団体の技術者を講師に迎え、紙本文化財を巻子に仕立てるまでの修理作業を中心に、和綴じ冊子の作製や屏風と掛軸の取り扱いについても実習しました。さらに、研修中盤には名古屋、美濃、京都を訪問し、歴史的建造物の室内における屏風や襖、国の重要無形文化財である本美濃紙の製造工程、伝統的な修復現場などを見学しました。そして、最終日の討論会では各国における和紙の利用・入手状況や日本の伝統技術の各国への応用などについて活発な議論が交わされました。
本研修を通じて、参加者が日本の修復材料や道具、技術についても理解を深め、それらの知識が諸外国の文化財保存修復に有効に応用されることを期待しています。

彫刻家・小室達についての基礎研究―文化財情報資料部研究会の開催

「伊達政宗騎馬像」(1935年完成、絵葉書より)
研究会の様子

 小室達(1899~1953)は、宮城県槻木町(現、柴田町)出身の彫刻家であり、仙台城に設置されている「伊達政宗騎馬像」(1935年完成)の作者です。同作は、観光地のシンボルとして有名ですが、作者自身の制作活動は、これまで広く知られていません。
 令和元(2019)年8月26日、文化財情報資料部では、野城今日子(当部アソシエイトフェロー)が、「彫刻家・小室達 基礎研究」と題した研究発表をおこない、遺されたアルバムや日記などの資料をもとに、小室の生涯と作品を整理した上で、代表作の「伊達政宗騎馬像」について考察しました。
 小室は、戦前の東京における団体展で作品を発表した一方、地元の宮城県では、郷土の名士たちの肖像彫刻や銅像、木彫作品を制作し、活動を展開しました。その中で地元の権力者や有識者との関係を培い、支持を得たと考えられます。また、「伊達政宗騎馬像」の制作時には、地元の郷土史家の意見をできるだけ取り入れ、「平和事業」をおこなった伊達政宗の姿を表したことを今回の発表で明らかにしました。
 現在、東京で活躍した彫刻家の動向は明らかになりつつありますが、小室のように、地方において制作活動を展開させた彫刻家は、作品や、詳細な動向が確認できる例が少ないため、今後さらに研究を深めていく必要があります。
 なお、今回は、コメンテーターとして小室の資料を所蔵する、しばたの郷土館の小玉敏氏をはじめ、大分大学の田中修二氏、台東区立朝倉彫塑館の戸張泰子氏ら近代彫刻史の専門家を招き、東京、宮城における小室の作品の相違点や、「伊達政宗騎馬像」の作風について活発な意見交換がされました。

東京国立博物館所蔵国宝平安仏画のウェブコンテンツ公開

国宝平安仏画ウェブコンテンツトップページ
普賢菩薩像の化仏

 東京文化財研究所は東京国立博物館の所蔵する仏教絵画について共同で調査研究を行っています。その成果公開の一環として、令和元(2019)年8月20日より、東京国立博物館所蔵国宝平安仏画4点(普賢菩薩像、虚空蔵菩薩像、千手観音像、孔雀明王像)に関するウェブコンテンツ(tnm-tobunken.tobunken.go.jp)公開をはじめました。
 絵画は一見平面に見えますが、実は絹や紙といった支持体に色料が複雑に重ねられた複層的なもので、それらが光を受け、層に反射もしくは透過した光の複合体を目でとらえて、私たちは絵画イメージを形成しています。そこには、絵が描きあげられる過程や、完成後にその作品に起こったことの痕跡が積み重なっています。
 それらをとらえるためには、顔料の粒子の大きさや形状、画絹の織り方や経糸・緯糸の太さとなど、材料や、それらの層の重なりに関する情報が重要な手がかりとなります。そうした絵画の深層を、作品に触れたり、分析のための試料を採取したりすることなく把握する方法として、光学的調査は最も有効なものの一つです。当研究所は、その前身である帝国美術院付属美術研究所が1930年に開所して間もなく、美術工芸品の光学調査をアジア諸国に先駆けて開始し、今日まで継続してきました。このたびの共同調査も光学的調査法に基づくものです。
 平安仏画には仏の衣や瓔珞に細かく繊細な文様を施すなど、現世を超越した仏の世界を一幅の絵に表す入念な描写が見られます。しかし、作品保護のため、それらをとらえられるほど作品に近づいて見られる機会は稀です。このたびのウェブコンテンツでは、作品の高精細写真をご自身のPCやタブレット端末でご覧いただくことができます。現在、公開しているのは、全体からある程度の細部を拡大して見ることができる可視光による写真のみですが、詳細な細部や、赤外線や蛍光、X線による写真、絵画材料に含まれる元素の蛍光X線分析の結果も順次公開する予定です。今後の展開にどうぞご期待ください。

台北におけるワークショップ「染織品の保存と修復」の開催

基礎編終了後、参加者を囲んでの集合写真
応用編における作品調査実習

 令和元(2019)年8月14日から23日にかけて、ワークショップ「染織品の保存と修復」を国立台湾師範大学の文物保存維護研究発展センターにて開催しました。東京文化財研究所は同大学と締結した共同研究の一環として、海外に所在する日本の染織品の保存と活用を目的に平成29(2017)年より本ワークショップを毎年共催しています。日本および台湾から保存修復技術者や染織品関連の研究者を講師に迎え、基礎編「日本の染織文化財」を14日から16日に、応用編「日本の染織品の修復」を19日から23日に実施しました。基礎編には10カ国11名、応用編には5カ国6名の保存修復技術者、学芸員、学生らが参加しました。
 基礎編では日本の有形・無形文化財の保護制度、服飾材料学、日本の代表的な染織品に関する講義を行ったほか、着物を畳む、展示するといった取り扱い実習も行いました。また、和紙で着物のモデルを作製し、着物の構造を理解できるよう努めました。応用編では、染織品の劣化や染料の科学分析、清掃・洗浄などに関する講義や実習を行いました。加えて、裂を絹布に縫いとめて補強する処置や保存収納用のたとうの作製なども行い、参加者が日本における染織品の保存修復についての理解を深める機会となりました。両編を通じて、展示や保存修復事例などを共有するとともに、保存修復の考え方や材料、方法などに関する意見交換が活発に行われました。
 このように、日本の染織品とその保存修復に関する知識を海外の保存修復の専門家に伝えることで、在外の日本の染織文化財のよりよい保存と活用に寄与することを大いに期待しています。

ブータン王国の歴史的建造物保存活用に関する拠点交流事業II

現地における関係者との活用方法の検討
今回調査の対象とした集落の一つ(プナカ県ユワカ村)

 東京文化財研究所では、平成24(2012)年よりブータン内務文化省文化局遺産保存課(DCHS)と共同で版築造建造物を対象とする建築学的な調査研究を行っています。本年度より文化庁の文化遺産国際協力拠点交流事業を受託し、同国の歴史的建造物の保存活用のための技術支援および人材育成を目的とした事業の一環として、令和元(2019)年8月20日から28日まで、当研究所職員および外部専門家計11名を現地に派遣しました。
 DCHSの職員と共同で行った調査では、ティンプー県、プナカ県およびハー県の歴史的民家建築を対象として、その保存修理の方法、持続可能な活用および文化遺産としての価値評価の三つの観点から検討を行いました。保存修理の方法および活用については、これまでに把握した民家建築の編年指標に基づいて選定した3棟の保存候補民家を対象として、版築壁の耐震補強や木部の補修の方法を検討するとともに、所有者の意向を取り込みつつ、文化遺産としての価値の担保を前提とした活用の方法を検討し、DCHS職員、現地の建築設計者、所有者などを巻き込んで議論を行いました。民家の文化遺産としての価値評価については、それぞれの保存候補民家が所在する集落を中心に悉皆的な調査を行い、民家の分類の方法および文化財指定のための基準を検討しました。
 また、ブータン内務文化省文化局にて今回の交流事業に関する覚書(MOU)を締結するとともに、DCHSとの協議を行い、今回の調査の結果やブータン側の展望や課題などについて意見交換を行いました。
 今後も現地で調査やワークショップを行い、ブータンの実情に即した歴史的建造物の保存活用の方法について現地の関係者とともに検討を重ねていく予定です。

戦後日本美術アーカイブズの研究活用に向けて―文化財情報資料部研究会の開催

研究会の様子

 令和元(2019)年7月23日、本年度文化財情報資料部第4回研究会が開催されました。今回は、「戦後日本美術アーカイブズの研究活用に向けて―松澤宥アーカイブを例に」と題したミニ・シンポジウム形式の研究会でした。
 前半は、橘川英規(文化財情報資料部)「1950年代、60年代の松澤宥宛書簡」、木内真由美氏(長野県信濃美術館)「松澤宥アトリエ「プサイの部屋」の調査・記録報告」、宮田有香氏(国立国際美術館)「松澤宥アーカイブ―内科画廊関連資料を通じて考える利用の可能性」、細谷修平氏(美術・メディア研究者、映像作家)「映像メディアのデジタイズと保存―松澤資料を例に」の4件の発表・報告が行われ、後半のディスカッションは、塩谷純(文化財情報資料部)の司会により、松澤宥の作品・活動やそのアーカイブズの美術史的意義、アーカイブズ活用、その前提となるアーカイブズ整理方法(データ整理、資料保全)について議論を交わしました。また休憩時間には、松澤宥アーカイブの一部を関係者で閲覧する機会を設け、情報の交換を行いました。
 この研究会の聴講には、所外から松澤宥のご家族、美術館や大学などに所属する研究者、美術作家など40名あまりの方にお越しいただきました。現在、科研費課題としても松澤宥アーカイブを軸にした研究に取り組んでおり、その最終年となる令和2年度にシンポジウム開催を予定しております。これに向けて、多様な分野の研究者と共同して、松澤宥アーカイブの美術史的、文化史的意義について研究してきたいと考えています。

実演記録「宮薗節(みやぞのぶし)」第二回の実施

宮薗節の本番撮影の様子(左から宮薗千よし恵、宮薗千碌、宮薗千佳寿弥、宮薗千幸寿)

 令和元(2019)年7月31日、無形文化遺産部は東京文化財研究所の実演記録室で、宮薗節の記録撮影(第二回)を行いました。
 国の重要無形文化財・宮薗節は、18世紀前半に初代宮古路薗八(みやこじそのはち)が京で創始、18世紀半ば以降に江戸で再興され今日に至ります。重厚で艶のある独特の浄瑠璃(声のパート)と、柔らかく厚みのある中棹三味線の音色を特徴とする宮薗節は、阿吽の呼吸で繊細な表現を創り上げる、熟練の必要な音楽です。伝承曲は古典曲十段と新曲で、内容はほとんどが心中道行ものです。
 今回は、古典曲《道行菜種の乱咲》―山崎―」と新曲《歌の中山》を収録しました。両作品とも宮薗千碌(タテ語り、重要無形文化財各個指定いわゆる人間国宝)、宮薗宮薗千よし恵(ワキ語り)、宮薗千佳寿弥(せんかずや)(タテ三味線)、宮薗千幸寿(せんこうじゅ)(ワキ三味線)の各氏による演奏です。
 無形文化遺産部では、今後も宮薗節の古典曲および演奏機会の少ない新曲の実演記録を継続していく予定です。

大韓民国国立無形遺産院との研究交流

韓国伝統弦楽器用の原糸製造機
無形遺産院での研究発表会の様子

 東京文化財研究所無形文化遺産部は平成20(2008)年より大韓民国の国立無形遺産院と研究交流をおこなっています。本研究交流では、それぞれの機関のスタッフが一定期間、相手の機関に滞在し研究をおこなうという在外研究や、共同シンポジウムの開催などをおこなっています。本研究交流の一環として、令和元 (2019)年7月1日から19日まで、無形文化遺産部無形文化財研究室長の前原恵美が大韓民国に滞在し、在外研究をおこないました。
 今回の在外研究の目的は、文化財の活用が期待される日本での現状を鑑みて、文化財保存技術としての楽器製作・修理技術を文化財活用と併せて保存・継承していくためのヒントを得ることでした。滞在期間中は、楽器製作者、楽器の材料製造者、伝統芸能(音楽)の教育・保存継承・研究機関関係者を訪ね、韓国における伝統楽器製作・修理技術、道具・原材料や、それらの技術を支援する仕組み、伝統音楽の教育普及におけるこれらの技術の扱いについて調査を行いました。
 韓国では、古典音楽と民俗音楽を不可分の「国楽」ととらえ、音楽教育の基本としてその知識や実技能力を教員の採用条件としており、音楽教育者の資質として「国楽」が必須です。そうした環境で自然に国楽に触れることのできる環境は、日本とは大きく異なります。一方で、伝統芸能(音楽)を支える技や原材料についての一般的な意識は、日本はもとより韓国においてもまだ開拓の余地があると感じました。今回の研究交流で得た参考事例、共通課題については、日本の現状に照らしながら、7月18日、韓国無形遺産院で成果発表として口頭発表しました。また、楽器製作・修理技術調査の概要については、今年度末刊行の『無形文化遺産研究報告』14号に、日本における調査報告と併せて掲載予定です。
 最後に、今回の研究交流で調査のサポートをしてくださった韓国無形遺産院の姜敬惠さん、通訳の李智叡さん(イ・ジエ)さんはじめ、韓国無形遺産院の皆様に感謝いたします。

博物館・美術館等保存担当学芸員研修の実施

 令和元(2019)年7月8~19日の日程で標記研修を開催しました。今年も2倍を超える応募の中、31名の学芸員等のみなさまに受講いただきました。
 今年は、文化財活用センターとの共催で実施する初めての研修となり、第一週を文化財活用センター(略称:ぶんかつ)が担当し、第二週を当所が担当して、講義プログラムを一新しました。第一週は保存環境の基礎を座学と実習で学ぶ形式で、ぶんかつからSNSを通じて情報が発信されるなど、共催での研修実施でこれまで不足していた情報発信力に気づかされました。
 第二週は保存科学研究センターの各研究室が半日単位で受け持ち、以下のテーマで主に座学をおこないました:文化財の科学調査(分析科学研究室)、生物被害対策(生物科学研究室)、屋外文化財の保存(修復計画研究室)、温熱環境制御(保存環境研究室)、修復材料の種類と特性/紙資料・日本画の保存修復(修復材料研究室)。修復に対する理念や基礎知識を応用して課題へ取り組む方法、当所の最新技術や成果を現場に活かしていただくためのワークショップなど、幅広い内容に取り組み、参加者の方々からは有益であったとの評価をいただきました。
 令和2(2020)年度はオリンピック・パラリンピック対策で、7月開催は難しいと考えております。参加者の皆様にご不便のないように、日程決まり次第すみやかにお伝えしていく所存です。

バガン遺跡(ミャンマー)における壁画および煉瓦造寺院外壁の保存に向けた技術協力

壁画補強作業に関する現場実地研修
壁画の図像に関する民俗学的調査

 文化遺産国際協力センターでは、ミャンマーのバガン遺跡において壁画および煉瓦造寺院外壁の保存修復方法に関する技術支援および人材育成事業に取り組んでいます。令和元年(2019)7月11日から27日にかけて、同国宗教文化省 考古国立博物館局バガン支局の職員を対象にした現場実地研修を2箇所の寺院で実施しました。
 Me-taw-ya寺院では、外壁目地材の補修と劣化した煉瓦の差し替え技術、および修復材料の調合方法について研修を行いました。また、雨水が溜まることにより既存の目地材が溶解し、寺院内部に雨漏りが発生する原因になることから、排水対策について検討しました。
 一方、住友財団から助成を受け保存修復を進めているLoka-hteik-pan寺院では(事業名:バガン遺跡群(ミャンマー)寺院祠堂壁画の保存修復)、バガン遺跡群の寺院壁画に共通してみられる過去の修復処置がもたらす問題点について解説し、無機修復材料を用いた彩色層の補強方法と補彩技法について研修を行いました。
 また、研修事業と並行し、今回から新たに壁画の図像に関する民俗学的調査を開始しました。壁画に表れる非仏教的要素やミャンマー的な特徴を明らかにするため、バガンを中心に詳細な作例収集に努めました。また、同国宗教文化省職員や各寺院の関係者から、各壁画に関する歴史的背景について聞き取りを行いました。今後、バガンから更に範囲を広げ、調査を継続していく予定です。
 バガンは先に開かれたユネスコの第43回世界遺産委員会において、世界文化遺産への登録が決定しました。今後は観光客の増加が予想され、遺跡の維持管理にはより一層力を入れて取り組んで行かなければなりません。この事は、滞在期間中にバガン支局で開かれた専門家会議の場でも議題にあがり、当研究所が主催する研修事業への参加者の増員や遺跡内での技術指導を要望する声が聞かれました。今後も現地専門家と意見交換を重ねながら、技術支援および人材育成事業を継続していきます。

クラクフにおける国際集会「日本絵画の修復」の開催

講演
紙漉き体験

 令和元(2019)年7月29、30日にポーランド・クラクフ所在の日本美術技術博物館Mangghaにおいて、日本国文化庁および同館と共同で、ポーランド国立クラクフ博物館・一般社団法人国宝修理装潢師連盟・一般社団法人伝統技術伝承者協会の協力のもと、国際集会「日本絵画の修復」を開催しました。本集会は「日本ポーランド国交樹立100周年」記念事業の1つとして認定されました。
 東京文化財研究所では、平成3(1991)年より「在外日本古美術品保存修復協力事業」として、海外で所蔵されている日本美術作品の保存修復を行っており、このたびポーランド国立クラクフ博物館所蔵の掛軸3幅を修復しました。本集会は、今回修復した掛軸およびその修復過程を展示するとともに、講演・実演・体験など様々な方法を通して日本絵画の修復に関する理解を促進することを目的に開催したものです。国の選定保存技術である「装潢修理技術」のほか、これを支える選定保存技術「装潢修理・材料用具製作」として、手漉き和紙(宇陀紙)製作、刷毛製作、金物製作などについても展示・解説しました。
 修復技術者などを対象とした専門家会議として実施した1日目には、ポーランドを中心に欧米9か国より31名の修復技術者および学生が参加し、伝統技術を体験すると共に日本の技術者との意見交換も行われました。2日目は一般来場者への公開講座とし、展示解説や紙漉き体験に15か国219名もの人々が参加するなど高い関心を呼ぶことができました。諸外国の保存修復専門家との交流促進の場にとどまらず、伝統的な日本絵画の修復技術や材料について広く一般の理解を得る貴重な機会となりました。

第43回世界遺産委員会への参加

「百舌鳥・古市古墳群」に関する審議の様子
会場外観

 令和元(2019)年6月30日~7月10日にかけて、アゼルバイジャンの首都バクーにおいて、第43回世界遺産委員会が開催されました。
 今回の世界遺産委員会では、日本の「百舌鳥・古市古墳群」を含む、29件の資産が新たに世界遺産一覧表に記載されました。これは1回の世界遺産委員会で審議できる資産の数に上限が設けられて以来、最も多い件数になります。一見、望ましい状況のようにも思えますが、記載された資産のうち7件は、記載に至らないとする諮問機関の勧告を覆し、委員会の場で記載が決議されています。ここ数年、諮問機関の勧告から逸脱した決議が下されることにより、資産の価値や登録範囲が不明瞭なまま、世界遺産一覧表に記載されることが問題視されていますが、今年も状況が改善することはありませんでした。
 こうした状況を憂慮し、昨年の委員会では、特別なワーキング・グループを設立し、推薦や評価のプロセスを見直すことが決議されました。今年の委員会では、その議論の内容が紹介され、推薦プロセスを二段階制にし、現在の推薦プロセスの前段階として「事前評価」のプロセスを導入する方向性が認められました。この事前評価により、早い段階で諮問機関と締約国との間の対話が促され、推薦書の質が向上することが期待されています。現在のところ、事前評価を全ての締約国に必須のプロセスと位置付けつつ、その評価の如何によらず締約国にその後の推薦プロセスを継続するか否かの決定権を付与することが検討されていますが、その開始時期を含め、議論は始まったばかりです。東京文化財研究所では、今後も広く世界遺産全般に関する議論を注視し、こうした世界遺産条約の履行に関する多様な情報を収集・発信していきたいと考えています。

シリア人専門家研修「歴史的都市および建造物の復興に向けた調査計画手法」の実施

東京文化財研究所における座学の様子
熊本市新町・古町地区復興状況の見学

 中東のシリアでは平成23(2011)年3月に紛争が始まり、終結を見ぬまま既に8年の月日が経過しています。人的被害は言うまでもなく、紛争の被害は貴重な文化遺産にも及んでいます。
 日本政府と国連開発計画(UNDP)は、平成29(2017)年から文化遺産分野におけるシリア支援を開始しました。平成30(2018)年2月からは、奈良県立橿原考古学研究所を中心に、筑波大学や帝京大学、早稲田大学、中部大学、古代オリエント博物館などの学術機関がシリア人専門家を受け入れて考古学や保存修復分野において様々な研修を行っており、東京文化財研究所もこの事業に参加しています。
 昨年5月に「紙文化財の保存修復」研修を実施したのに続き、今年度はシリア人専門家2名を招聘して7月24日から8月6日まで約2週間にわたり、「歴史的都市および建造物の復興に向けた調査計画手法」をテーマとする研修を実施しました。
 シリア紛争下では、古都アレッポなど多くの歴史的都市が戦場となり、数多くの歴史的建造物が被災しました。研修の前半では、歴史的建造物の破損状況調査や応急処置、構造安全性診断の方法、ドキュメンテーションやデータベースの作成方法、さらには復興計画の策定方法や復興・保存体制の構築方法に関して、各分野の専門家7名を講師とする座学を行いました。これに続く後半では実地研修として、熊本城や新町・古町地区、熊本大学や重文江藤家住宅など、平成28(2016)年の熊本地震で被災した歴史的建造物および町並みの復興状況を見学するとともに、現場担当者のお話を伺いました。さらに、京都や奈良の伝統的建造物群保存地区も訪れ、日本の歴史的建造物の修理・活用事例等についても学んでもらいました。
 最後になりますが、今回研修にご協力いただいた専門家および関係機関・担当者各位に改めて御礼を申し上げます。
 東京文化財研究所は、今後もシリア文化財支援活動を継続していく予定です。

文化財情報のLinked Data化についてー第3回文化財情報資料部研究会の開催

研究会の様子

 令和元(2019)年6月25日に、今年度3回目となる文化財情報資料部研究会が開催されました。今回は「Linked Dataを用いた地域文化遺産情報の集約」と題して三島大暉(文化財情報資料部)より発表を行い、コメンテーターに村田良二氏(東京国立博物館)をお迎えしました。
 Linked Dataは、セマンティック・ウェブを実現する手段であり、構造化されたデータ間のリンクを辿ることで関連する情報を得られる可能性が高まります。そのため、公開するデータをLinked Dataとして外部の情報源とリンクさせることでそのデータの発見可能性や活用可能性の向上が期待されます。本発表では、近年文化財保護法の改正等により地域の文化遺産の活用が言及される中、地域の文化遺産“情報”の活用に焦点を当て、Linked Dataとして集約・公開する際のメタデータスキーマとその課題について述べました。
 地域の文化遺産情報の例として、東京都内の地方公共団体が公開する指定文化財等の情報を対象に分析したところ、名称・文化財分類・所在地といった記述項目名および記述項目内で使用される語彙や記述形式の共通点と相違点が明らかになりました。その情報をLinked Dataとして集約するにあたり、語彙や記述形式を揃えた情報と元の情報が並存するメタデータスキーマを作成しました。課題として、「有形文化財」-「建造物」など文化財分類特有の語彙の関係をデータとして示すためにそのシソーラス形成の仕組みが必要であると指摘しました。
 研究会では、参加者がこれまで文化財と関わった経験から、文化財情報がどのように作成・共有・公開されてきたかなど広く意見交換が行われました。

オヒョウとシナノキの樹皮採取の調査

樹皮を剥がす(シナノキ)
樹皮の外皮と内皮を剥ぎ分ける(オヒョウ)

 無形文化遺産部では樹木素材を用いた民俗技術の調査研究を進めています。その一環として、樹皮布を作るための樹皮採取の現地調査を令和元(2019)年6月に行いました。
 ここでいう「樹皮布」とは、樹皮の内皮から繊維を取り出し、糸に加工して布に織りあげたもので、日本ではオヒョウ、シナノキ、フジ、コウゾ、クズなどがその原料として知られています。今回は6月15日に北海道道央地域でオヒョウの樹皮採取に、6月30日に山形県鶴岡市関川でシナノキの樹皮採取に同行し、その様子を調査記録しました。
 オヒョウから作られるアイヌの伝統的織物「アットゥシ」と、シナノキから作られる「しな織」はいずれも国の伝統的工芸品に指定されており(「二風谷アットゥシ」「羽越しな布」)、オヒョウの樹皮採取は二風谷民芸組合が、シナノキの樹皮採取は関川しな織協同組合が中心となって行いました。
 樹皮採取は、木が水を吸い上げる成長期にあたる6~7月初旬に行なわれ、この時期でなければうまく皮を剥がすことができません。オヒョウの場合は基本的には立木から、シナノキの場合は伐採した木から樹皮を剥ぎ取り、これを手や簡単な道具のみで外皮と内皮に剥ぎ分けます。剥がされた内皮は、これからさらに長い時間と手間をかけて加工され、水に強く、丈夫な糸に仕立てられていきます。
 自然素材を効率的・持続的に利用するために、人は長い時間をかけて自然に対する理解を深め、経験値を増やし、自然利用の知恵や技術を培ってきました。自然素材を相手にする民俗技術からは、人々がどのように自然と向き合ってきたのか、その関係性の一端を読み取ることができると言えます。

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