清宮質文資料の受贈

清宮質文《早春の静物》 1977年 茨城県近代美術館蔵
今回寄贈された清宮質文資料の一部

 清宮質文(1917~1991)は、静謐で詩的な心象世界を木版画やガラス絵で表現した作家として知られています。その抒情豊かな作品に魅了される方も多いことでしょう。
 この度、清宮が遺した手記・日記および写真等の資料を、ご遺族より東京文化財研究所にご寄贈いただきました。手記の中には、作家自製のノートである「雑記帖」「雑感録」「画題控」が含まれています。それらは制作の合間になかば息抜きのように作られ、綴られたもので、清宮の器用で几帳面な一面をしのばせるとともに、作品にひそむ思索の軌跡をたどる上で貴重な一次資料といえるでしょう。整理のため、公開までしばらくお時間をいただきますが、今回の資料受贈が清宮質文研究の進展に大きく寄与することを願っています。

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