研究所の業務の一部をご紹介します。各年度の活動を網羅的に記載する『年報』や、研究所の組織や年次計画にもとづいた研究活動を視覚的にわかりやすくお知らせする『概要』、そしてさまざまな研究活動と関連するニュースの中から、速報性と公共性の高い情報を記事にしてお知らせする『TOBUNKEN NEWS (東文研ニュース)』と合わせてご覧いだければ幸いです。なおタイトルの下線は、それぞれの部のイメージカラーを表しています。

東京文化財研究所 保存科学研究センター
文化財情報資料部 文化遺産国際協力センター
無形文化遺産部


研究資料データベース検索システムのリニューアル

研究資料データベース検索システム トップページ

 「研究資料データベース検索システム」
 (http://www.tobunken.go.jp/archives/)をリニューアルしました。これは、昨年度、当所アーカイブズ運営委員会のもとに組織されたアーカイブズ・ワーキング・グループで取り組んでいる全所横断的な研究資料アーカイブズ構築の成果の一端が反映されたものです。今回のリニューアルでは、検索システムの操作性、コンテンツの両面で大幅な改定がありました。
 当所の研究資料データベースは、2002年に和漢書と売立目録の所在情報をインターネット上に公開して以来、各部署の蔵書情報や、関連分野の文献 情報・展覧会開催情報・伝統楽器情報などを公開し、文化財研究機関ならではの有効なコンテンツを発信する役割を担ってきました。その一方で、サイト利用者からは「システム内の複数データベースの横断検索」、「複数のキーワードによる掛け合わせ検索」、「検索結果の並び替え」などができるようにしてほしいなど、操作性の改善を望む声が寄せられていました。これまでのサイトは、データベース言語「SQL」とWebアプリケーションフレームワーク「Microsoft aspx」で構築してものでしたが、それを「MySQL」と「WORDPRESS(PHP)」の組み合わせに改め、それらの問題を解決し、操作性を向上させました。
 さらにコンテンツ面では、当所刊行物の掲載論文や記事の情報の収録件数を53万件に増やしました。これまでの収録対象は研究誌『美術研究』、『芸能の科学』、『保存科学』に掲載された論文のみでしたが、さらに各種研究成果報告書、『日本美術年鑑』、『東文研ニュース』、『年報』などを含め、また論文以外の彙報記事も収録したためです。これによって当研究所の研究成果に加えて、研究プロジェクトの進捗状況を伝える記事などへのアクセスも改善されました。
 引き続き、専門性の高い情報にアクセスしやすい環境を整え、効率よく活用できる方向を検討しております。ご利用いただき、お気づきの点がございましたら、本システムの「ご意見・お問い合わせ」フォーム(http://www.tobunken.go.jp/archives/ご意見・お問い合わせ)からご一報いただけますと幸いです。

(201405 / 橘川英規)

研究会「アート・アーカイヴの諸相」の開催

 研究プロジェクト「文化財の研究情報の公開・活用のための総合的研究」の一環として、2月25日に加治屋健司氏(広島市立大学)、上崎千氏(慶応 義塾大学アートセンター)を招へいし、企画情報部アソシエートフェロー橘川英規を加えて、日本及びアメリカの現代美術のアーカイヴに関する研究会 を当研究所セミナー室で開催しました。
 第1部の個別発表では、加治屋氏がアメリカにあるアーカイヴ機関(スミソニアン美術アーカイヴ、ゲッティ研究所、MoMAなど)を美術史家という 利用者の視点からその利用について、クレメント・グリンバーグの書簡を挙げて紹介、上崎氏は草月アートセンターのエフェメラ資料群データベースを 用いてアーキヴィストの思考性について発表、橘川は画家中村宏氏作成ノートを例に「ライブラリアンによるアーカイヴ資料紹介」を試みました。第2 部では、個別発表を踏まえ、ディスカッションを行い、その中で、それぞれの立場でのアーカイヴの考え方の共通性と差異性が明確に提示されまし た。本研究会には外部聴講者を含めて95名の方に参加していただき、会場の専門家らからも活発に意見が交わされ、改めて「美術研究にとって有益な アーカイヴの在り方」を考え直す良い機会となりました。

(201402 / 橘川英規)