研究所の業務の一部をご紹介します。各年度の活動を網羅的に記載する『年報』や、研究所の組織や年次計画にもとづいた研究活動を視覚的にわかりやすくお知らせする『概要』、そしてさまざまな研究活動と関連するニュースの中から、速報性と公共性の高い情報を記事にしてお知らせする『TOBUNKEN NEWS (東文研ニュース)』と合わせてご覧いだければ幸いです。なおタイトルの下線は、それぞれの部のイメージカラーを表しています。

東京文化財研究所 保存科学研究センター
文化財情報資料部 文化遺産国際協力センター
無形文化遺産部


タイ・カンボジア現地調査

レンガ造構造物の保存処理の効果に関する評価
(タイ・アユタヤ遺跡)

 文化遺産国際協力センターは、タイおよびカンボジアにおいて、それぞれタイ文化省芸術総局、アンコール地区保存整備機構(APSARA)と共同で現地調査を行いました。タイでは、スコータイ遺跡およびアユタヤ遺跡において調査研究を実施し、スコータイ遺跡では、スリ・チュム寺院の大仏に繁茂するコケ類や藻類等の植物の対策についての調査や実験、アユタヤ遺跡では、3年前に実施したレンガ造遺構の保存処理について、評価のための調査を行いました。
 カンボジアでは、石造文化財の表面に繁茂する植物について、タ・ネイ遺跡での現地調査のほか、アンコール遺跡で使われている石材の石切場となっていたクーレン山周辺での砂岩石材の調査も実施しました。

アンコール遺跡の救済と発展に関する国際調整委員会第16回技術委員会

多くの観光客が訪れる遺跡バンテアイ・スレイ

 7月5日・6日の2日間、カンボジアのシエムリアップで標記の委員会が開催されました。この委員会はアンコール遺跡の保護に携わる各組織の取り組みを発表する場で、本研究所もタ・ネイ遺跡の石材上の植物について、同定結果や遺跡内での分布と開空率との関連に関する研究成果を発表しました。
 また、討議のテーマのひとつに「持続的な発展」がありました。2005年の外国人観光客は67万人を越え、遺跡保護のみならず事故防止の点でも、見学路や施設の適切な配置が課題です。近くのシエムリアップでも下水道の未整備やごみの投棄による川の汚染が報告されています。これは遺跡を訪れる人々の責任でもあり、この分野でも各国の経験を生かした国際協力が不可欠だと感じられました。

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