「東京文化財研究所美術文献目録」のOCLCへの提供

WorldCatで検索された展覧会カタログ所載文献の表示画面の例

 東京文化財研究所では美術に関する文献・資料の収集と活用に努めています。世界最大の図書館サービスであるOCLCを通じて国際的に情報発信を行うため、日本での代理店を務める株式会社紀伊國屋書店OCLCセンターと協議を重ねながら事業を推進し、このたび平成30(2018)年1月に世界最大の共同書誌目録データベースであるOCLCのセントラル・インデックスに「東京文化財研究所美術文献目録 (Tokyo National Research Institute for Cultural Properties, Art Bibliography in Japan)」として、展覧会カタログに掲載されている記事・論文等のデータ約5万件を提供しました。これによって、WorldCat.org(https://www.worldcat.org/)やArt Discovery Group Catalogue (https://artdiscovery.net/)などの検索サービスなどにおいて、美術に関する作家・作品など各種キーワードを入力すると、「東京文化財研究所美術文献目録」も検索対象となり、展覧会カタログ掲載論文に関する書誌データが検索結果として表示されるようになりました。
 書籍や雑誌として刊行されているものは、一般的な検索エンジンや図書館等のデータベースでも検索することができますが、展覧会カタログに収録されている記事・論文は、専門性が極めて高いものの、その存在が広く知られる機会は限られていました。今回提供した情報は、当研究所がその草創期から継続してきた『日本美術年鑑』編さん事業を通して、全国の美術館・博物館から寄贈された展覧会カタログ所載記事・論文のデータを再利用したものです。検索結果からそのままオンラインで全文にアクセスできるような機能はなく、今後の課題はありますが、世界中のインターネット・ユーザーに対して、資料発見の可能性を新たに提供した意義は大きいと考えられます。今回提供した情報は昭和5(1930)年から平成25(2013)年までのものですが、今後も継続的に新たな情報を追加するなど、さらなる情報発信強化を行ってまいりたいと思います。
なお、この成果は、平成28(2016)年より国立西洋美術館と実施している共同事業「美術工芸品を中心とする文化財情報の国内外への発信にかかる基盤形成事業」によるものです。

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