美術雑誌『國華』掲載作品図版の追加公開

扇面法華経(419号掲載)
配架の様子

 『國華』は、明治22(1889)年に創刊され、現在まで継続して刊行されている美術雑誌で、日本・東洋美術史分野の重要な学術刊行物として知られています。創刊以来、豪華な図版とともに優れた美術作品を紹介しており、そのひとつひとつが美術史研究における重要な基礎資料となっています。現在に至るまで130年以上、研究者たちによって営々と積み重ねられた基礎資料の量は膨大なものです。
 資料閲覧室では、平成26(2014)年に『國華』に掲載された作品の紙焼き図版を國華社よりご寄贈いただきました。この紙焼き図版は台紙に貼りつけて整理されており、その量は段ボール箱45箱分に及ぶものでした。資料の整理に取り組みながら、このうち800号[昭和33(1958)年]から1200号[平成8(1996)年]にかけて掲載された図版を先行公開しましたが、このたびこれに先立つ400号[大正13(1924)年]以降の掲載図版を追加公開いたしました。大正から昭和初期にかけての貴重な資料です。
 これらの作品図版は、先行公開された作品図版とともに資料閲覧室のキャビネットに号数順に配架されています。追加公開にあたって『國華』掲載作品図版全てを再度並べ直しましたので、以前より更にご覧になりやすくなったのではないかと思います。資料閲覧室にお越しの皆様には自由にご覧いただくことができますので、貴重な資料をぜひご活用ください。

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