文化財の環境影響に関する日韓共同研究報告会の開催

佛国寺多宝塔における病害調査
日韓共同研究報告会参加者

 保存修復科学センターでは大韓民国・国立文化財研究所(韓文研)保存科学研究室と共同で、文化財における環境汚染の影響と修復技術の開発研究を実施しています。現在は、磨崖仏など屋外環境下にある石造文化財を対象に、劣化原因調査および修復材料・技術の開発評価を行うとともに、年1回、日韓交互で研究報告会を開催しています。
 今年度の研究報告会は、平成20(2008)年11月6日に韓文研講堂にて開催しました。東文研からは、鈴木規夫所長をはじめ6名が参加し、朽津信明・森井順之・山路康弘(別府大学)より石造文化財の保存修復に関する研究成果を発表しました。研究会の前には、慶州・佛国寺多宝塔や感恩寺址三層石塔の修復現場を視察し、修復材料や技法に関して韓国側研究者と議論を行いました。また、大邱・慶北大学博物館を訪問し、大伽耶池山洞古墳群出土品の調査も実施しました。
 今後もこうした共同調査を継続し、日本と韓国の研究交流がより深いものになればと願っています。

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