書庫改修の完了

電動式書架設置の様子
竣工した電動式書架

 東京文化財研究所では、各研究部門(文化財情報資料部、無形文化遺産部、保存科学研究センター、文化遺産国際協力センター)が収集してきた図書・写真等資料などを、おもに資料閲覧室と書庫で保管し、資料閲覧室を週3日開室し、外部の研究者に対しても閲覧提供しております。
 当研究所が平成12(2000)年に現在の庁舎に移転してから23年ほど経過し、その研究活動のなかで図書・写真等資料は日々収集され、近年では旧職員や関係者のアーカイブズ(文書)をご寄贈いただく機会も増えました。そのように所蔵資料が充実していく一方、遠くない将来、書庫や資料閲覧室の書架が資料で飽和状態となるとの見通しもありました。この状況に対して、この度、「調査研究機器の計画的整備」の枠組みの一環として「資料閲覧室の書架整備」の工事を行いました。
 今回の工事は、庁舎2階書庫の床面積1/4弱のスペースに設置されていた固定式書架を、電動式書架に取り替えるものでした。令和5(2023)年1月10日に着工し、書籍の搬出、固定式書架の撤去、電動式書架用レールの敷設、電動式書架の設置、書籍の再配架という工程を経て、同月31日に完了いたしました。固定式書架5台(612段、書架延長526m)が設置してあったスペースに、新たに電動式書架9台(1,248段、書架延長1,073m)を設置したことで、その収容能力はおよそ2倍となりました。
 工事期間中、外部公開を一時停止したことにより、資料閲覧室の利用者のみなさまには、ご不便をお掛けいたしましたことをお詫び申し上げます。今回の書庫整備による効果を踏まえて、引き続き、文化財研究・保存に資する専門性の高い資料を継続的に収集し、後世に遺し、有効に活用していくための活動を展開してまいります。今後とも、当研究所の文化財アーカイブズを、みなさまの活動にご活用いただけましたら幸いに存じます。

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