韓国美術史コロキアムの開催

コロキアム当日の様子

 文化財アーカイブズ研究室では現在、韓国絵画調査資料(戦前期のガラス乾板・台紙貼写真)の整理を進めています(※)。資料整理にあたって、日本国内の研究者だけでなく、韓国の研究者とも意見交換をおこなっており、令和5(2023)年11月には韓国の代表的な絵画史研究者であるソウル大学校人文大学考古美術史学科教授・張辰城氏(ジャン・ジンソン)を研究所に招へいしました。資料に関する検討会議と合わせて、11月18日には来日を記念した「韓国美術史コロキアム」を当研究所地下セミナー室にて開催しました。これは日本国内の研究者・学生が、韓国美術史研究の動向と現状に触れる機会として企画したものです。今回は「安堅筆《夢遊桃源図》をよむ」という題で朝鮮時代前期の絵画に関するお話をしていただき、司会通訳を企画者の文化財情報資料部研究員・田代裕一朗が務めました。コロキアムには、東京大学教授・板倉聖哲氏、筑波大学教授・菅野智明氏をはじめ、関連分野の研究者・大学院生が参加し、小規模な集まりならではの忌憚のない学術的議論が行われました。今後も当研究所が蓄積してきた資料の整理を進めつつ、同時に海外と日本の研究者を繋ぐ架け橋としての役割を果たしていければ幸いです。

(※) 国外所在文化財財団助成「韓国絵画調査写真(東京文化財研究所所蔵)の研究」(2023年9月~2024年8月、研究代表者:田代裕一朗)

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