研究所の業務の一部をご紹介します。各年度の活動を網羅的に記載する『年報』や、研究所の組織や年次計画にもとづいた研究活動を視覚的にわかりやすくお知らせする『概要』、そしてさまざまな研究活動と関連するニュースの中から、速報性と公共性の高い情報を記事にしてお知らせする『TOBUNKEN NEWS (東文研ニュース)』と合わせてご覧いだければ幸いです。なおタイトルの下線は、それぞれの部のイメージカラーを表しています。

東京文化財研究所 保存科学研究センター
文化財情報資料部 文化遺産国際協力センター
無形文化遺産部


シルクロード世界遺産登録に向けた支援事業:カザフスタン共和国とキルギス共和国における専門家育成のためのワークショップ

地下探査実習
トータル・ステーションを用いた測量実習

 現在、中央アジア5カ国および中国は、2014年度のシルクロード関連遺跡の世界遺産登録を目指し様々な活動を行なっています。この活動を支援するために、文化遺産国際協力センターは、昨年度よりユネスコ・日本文化遺産保存信託基金による「シルクロード世界遺産登録に向けた支援事業」に参加し、中央アジア各国で各種の事業を実施しています。その一環として、9月にカザフスタン共和国とキルギス共和国において、人材育成ワークショップを実施しました。
 カザフスタン共和国では、昨年度に引き続き、考古遺跡の地下探査に関するワークショップを奈良文化財研究所およびカザフスタン考古学専門調査研究機関と共同で、9月19日から24日にかけて実施しました。カザフスタン共和国から8名の専門家のほか、キルギス共和国から2名、タジキスタン共和国から1名、ウズベキスタン共和国1名、計12名が研修生として参加しました。今回も、昨年度同様、ボロルダイ古墳群(前8世紀~前3世紀)にて、地中レーダー探査の実習を行いました。昨年度のワークショップ後に、カザフスタン共和国が地下探査の機材を導入するなど、ワークショップの成果が確実に現地に根付こうとしています。今後も、今回の研修がきっかけとなって、中央アジア各国に考古遺跡の地下探査の技術が導入されることが期待されます。
 キルギス共和国でも、昨年度と同様、考古遺跡測量に関するワークショップを9月19日から25日にかけて実施しました。キルギス共和国科学アカデミー歴史文化遺産研究所と共同で実施したこのワークショップには、キルギス共和国の若手考古学者8名が参加しました。測量に関する基礎的な講義を科学アカデミーで実施した後、中世の都城址アク・ベシム遺跡に場所を移し、セクション図の作成やトータル・ステーションを用いた発掘区設定や地形図作成、遺構平面図作成、水準測量、写真測量などの実習を行ないました。昨年度、今年度と二年間に渡り、ほぼ同じ内容のワークショップを実施したため、研修生の測量技術はかなり上達しました。
 文化遺産国際協力センターは、来年度も中央アジア各国でシルクロード世界遺産登録に向けた支援事業を継続する予定です。

第11回文化遺産国際協力コンソーシアム研究会「ブルーシールドと文化財緊急活動-国内委員会の役割と必要性-」の開催

 2012年9月7日(金)に第11回文化遺産国際協力コンソーシアム研究会「ブルーシールドと文化財緊急活動‐国内委員会の役割と必要性‐」を開催しました。今回の研究会では阪神淡路大震災や東日本大震災から文化財を救った経験をふまえて、今後の我が国での文化財緊急保護活動を考える上での1つの視点としてブルーシールドに焦点を当てて議論を行いました。
 基調講演ではUSブルーシールド国内委員会のコリン・ヴェグナー代表をお招きし、アメリカでの国内委員会設立のご経験や、USブルーシールドによるハイチでの緊急支援活動などをご紹介いただきました。講演では東日本大震災後の文化財レスキュー(動産)や文化財ドクター(不動産)の活動、また図書館の防災など、我が国での文化財の緊急対応の現状が紹介され、問題点などが指摘されました。
 パネルディスカッションでは、それぞれの分野で緊急支援として何が必要とされているのか、またそのために日本で必要となっていくブルーシールドのあり方など、今後の我が国での緊急支援活動を考える上で非常に重要な議論が進められました。また、国内での緊急対応だけでなく、国際協力の観点からも日本の経験と技術を生かす必要があるとの指摘もなされました。
 今回の研究会は博物館、建造物、図書、歴史資料、フィルムなど幅広い分野の専門家が一堂に会してブルーシールドとは何かを議論する初めての研究会でありましたが、今後日本での文化財緊急支援の将来を考える上でとても重要な一歩となる会合となりました。
 今後もコンソーシアムでは、最新の情報を共有する場として、幅広い内容で研究会を企画していきます。

「タンロン・ハノイ文化遺産群の保存」ユネスコ日本信託基金事業

暴露試験台の設置
歴史ワークショップ風景
遺物整理室での意見交換
奈文研での樹脂含浸実験

 ベトナム・ハノイの都心に立地する世界遺産「タンロン皇城遺跡」を対象とする本事業は、日越専門家が協力しながら2010年度より実施しており、ユネスコ・ハノイ事務所から委託を受けた東文研が日本側の実施主体となっています。今年度前半は、主に以下のような活動を実施しました。

1)遺構保存に関する現地調査
 8月7日から9日にかけて、新国会議事堂建設現場に隣接する発掘区における現地調査を実施しました。遺構が存在する土中の水分移動を計測するためのセンサーを交換・増設し、砂層埋め戻しによる蒸散抑止効果を観測するための試験区を新たに設置しました。また、出土した煉瓦に物性を合わせた試料を用いた保存処理効果の屋外暴露試験も開始しました。現場での気象自動計測も継続中で、取得したデータの分析を通じて、望ましい保存方法の提案につなげていきます。

2)歴史学ワークショップの開催
 8月21日に、タンロン遺産保存センター、ハノイ国家大学開発科学院と共催で、タンロン城中心区の構成および東アジア都城との比較研究をテーマに現地ワークショップを開催しました。文献資料の検討や近年の発掘成果に基づく日越専門家の発表、および討議を行い、依然未解明の部分が多いタンロン城の構造と変遷について、活発な議論が行われました。また、このワークショップにあわせ、日越でこれまでに発表されたタンロン城に関する主要論文を相互翻訳した研究論集も刊行しました。

3)考古遺物に関するワークショップの開催
 9月10日から12日にかけて、タンロン遺産保存センター、社会科学院考古学研究所、同都城研究センター、奈良文化財研究所とともに、タンロン遺跡出土の考古遺物に関する第1回ワークショップをハノイで行いました。今回は陶磁器と屋根瓦を対象に、形式分類の方法や製作技法、製作地などをめぐって、日越専門家が双方の知見を共有するとともに、出土遺物を実際に観察しながら意見交換を行い、共同研究の重要性を再確認しました。

4)ベトナム人専門家の招聘
 9月10日から28日まで、ベトナム林業大学の木材専門家1名を招聘し、奈良文化財研究所において、出土木材遺物の保存手法に関する共同実験を行いました。タンロン遺跡出土木材と現在のベトナム産木材の試料を用いて、樹種の鑑定や樹脂含浸処理の効果などに関する各種の実験を実施しました。

8月施設見学(1)

燻蒸室での説明(8月6日)

 韓国・ソウル大学奎章閣韓国学研究院 計8名
8月6日、文化財の保存・修復の現場を見学するために来訪。企画情報部資料閲覧室、保存修復科学センター生物実験室及び同修復実験室を見学し、各担当者が業務内容について説明を行いました。

8月施設見学(2)

写場での説明(8月31日)

 ICCROM国際研修「紙の保存と修復」参加者 計13名
8月31日、ICCROM国際研修「紙の保存と修復」の一環として来訪。企画情報部写場、無形文化遺産部実演記録室、保存修復科学センター修復アトリエ、同修復実験室、同分析科学研究室及び同生物実験室を見学し、各担当者が業務内容について説明を行いました。

『美術研究作品資料 横山大観《山路》』刊行に向けての研究協議会開催

研究協議会の様子

 これまでたびたびお伝えしてきたように、当研究所では平成22年度より永青文庫との共同研究というかたちで、横山大観筆《山路》の調査研究を進めてきました。修理を機に行なった四度の作品調査を経て、いよいよその成果を一書にまとめるべく、調査研究に携わった方々を中心とする研究協議会を8月3日に当研究所で開きました。協議会では、塩谷も含め下記の方々(報告順、敬称略)が《山路》に関する各自の研究テーマについて報告を行い、企画情報部のスタッフも交えて互いに意見を交換しました。
竹上幸宏(国宝修理装こう師連盟)・荒井経(東京藝術大学)・平諭一郎(東京藝術大学)・小川絢子・三宅秀和(永青文庫)・林田龍太(熊本県立美術館)・佐藤志乃(横山大観記念館)・野地耕一郎(練馬区立美術館)
 報告の内容は修理報告や調査に基づく作品分析、発表時の批評の再検討など、多岐にわたるものでした。近代日本画の研究で、複数の研究者が一点の作品に絞って多角的に検証を行う試みは 先例がなく、画期的といえるでしょう。その成果は当研究所が逐次刊行してきた『美術研究作品資料』の第6冊としてまとめ、来春に刊行する予定です。

International Field School Alumni Seminar on Safeguarding Intangible Cultural Heritage in the Asia Pacific タイ王国ランプーン市

国際セミナー参加者

 この国際セミナーは、タイのthe Princess Maha Chakri Sirindhorn Anthropology Centreと日本のアジア太平洋無形文化遺産研究センターの共催で、2012年8月6日~10日に、タイ北部のランプーンで行われ、当研究所から無形文化遺産部の宮田がリソースパーソンとして招聘され参加しました。 セミナーには、タイをはじめ、カンボジア、ヴェトナム、中国、ブータンの各国から、若手の博物館関係者及び人類学研究者が集い、実践事例の発表と討議及び野外学習が実施されました。またリソースパーソンとしては、タイ、イギリス、アメリカ、日本から研究者が参加し、それぞれの発表を行うと共に、討議にも参加しました。参加者は、日頃の博物館等における調査・研究業務を通じて、各地域での無形文化遺産保護活動に具体的に関わっている人が多く、その具体的関心の高さを反映して、非常に活発で有意義な討議が行われました。また第一線の若手専門家の生の声を聞くことが出来たことは、リソースパーソンとして参加した者にも、大きな刺激となりました。このセミナーは、来年度以降も同様の形で継続する予定ですので、無形文化遺産部では、アジア太平洋無形文化遺産センターと連携しつつ積極的に参加し、日本の専門家として貢献していきたいと考えています。

“第36回文化財の保存および修復に関する国際研究集会 文化財の微生物劣化とその対策:屋外・屋内環境、および被災文化財の微生物劣化とその調査・対策に関する最近のトピック“について

Microbial Biodeterioration of Cultural Property

 文化財の微生物による劣化は、屋外・屋内環境を問わず、文化財の劣化要因として大きな影響を与えています。また、地震・津波などによって被災した文化財は水濡れの影響から、微生物劣化が短期間のうちにおきやすく、その状況をみきわめるための調査と対策はきわめて重要です。東京文化財研究所では、標記のシンポジウムを平成24年12月5日(水)~12月7日(金)、東京国立博物館 平成館 大講堂にて開催いたします。今回は招待講演のほかに、上記のテーマに関わる22件のポスター発表が行われます。国内外の研究者や文化財関係者と積極的な議論や情報交換をする機会ですので、文化財の保護に関わる方々、研究者、文化財の分野に興味をお持ちの学生の方を含め、多くの方々のご参加をお待ちいたしております。10月20日まで参加お申込みを受け付けております。
詳しくはhttp://www.tobunken.go.jp/~hozon/sympo2012/をご覧ください。お問い合わせは、sympo2012@tobunken.go.jpまで。 

キンベル美術館所蔵「二十五菩薩来迎図」修復中の調査撮影

撮影調査風景
「二十五菩薩来迎図」右幅、キンベル美術館(修理前)
(左)同部分
(中)同部分裏面カラー画像(左右反転)
(右)同部分裏面近赤外線画像(左右反転)

 在外日本古美術品保存修復事業として平成23年度より「二十五菩薩来迎図」(キンベル美術館、フォートワース、米国)の修復を行っています。この作品は絹本着色の二幅対で、14世紀頃の制作と見られます。諸菩薩は皆金色で精緻な切金文様が施されていますが、経年の汚れのために画面が暗く沈み、随所で糊浮きが生じて保存上の問題がありました。今回の修復では作品を解体して表装を改めることとし、現在、右幅の肌裏紙の除去が完了した状況です。画絹を裏側から見ると、下描きの墨線や裏彩色が確認でき、修復のために必要な調査と撮影を行いました。作品表面から見ると、諸菩薩は端正な顔貌で表現されていますが、近赤外線画像で確認すると、表面のやや硬い線描に較べてより柔和な線描による、おおらかな表情のすぐれた下描きが作品全体に存在していることがわかりました。また画絹の裏から白や緑の絵具を塗った裏彩色が正統的な仏画らしく施されていることが確認できました。このような画像は、解体修理の際にしか記録できません。作品の表面だけでなく、裏面も高精細画像で記録することによって、より安全に修復を進めることができ、今後の研究資料としても活用できます。所蔵館学芸員とも協議を重ねながら、今後の作業を進めていきたいと思います。

7月施設見学(1)

実演記録室での説明(7月2日)

 武蔵野市社会教育関係団体老壮連合会「ハッピー76会」 計19名

 7月2日、文化財の保存・修復の現場を見学するために来訪。無形文化遺産部実演記録室、保存修復科学センター修復アトリエ及び同化学実験室を見学し、各担当者が業務内容について説明を行いました。

7月施設見学(2)

資料閲覧室での説明(7月5日)

 文化学園大学服装学部 計7名

 7月5日、文化財の保存・修復の現場を見学するために来訪。企画情報部資料閲覧室、無形文化遺産部実演記録室及び保存修復科学センター分析科学研究室を見学し、各担当者が業務内容について説明を行いました

7月施設見学(3)

生物実験室での説明(7月19日)

 独立行政法人国立文化財機構新任職員 計36名

 7月19日~20日、独立行政法人国立文化財機構新任職員研修会の一環として来訪。企画情報部資料閲覧室、無形文化遺産部実演記録室、保存修復科学センター生物実験室及び同分析科学研究室を見学し、各担当者が業務内容について説明を行いました。

7月施設見学(4)

化学実験室での説明(7月24日)

 参議院第三特別調査室 計4名

 7月24日、東京文化財研究所の視察のために来訪。企画情報部資料閲覧室、無形文化遺産部実演記録室及び保存修復科学センター化学実験室を見学し、各担当者が業務内容について説明を行いました。

7月施設見学(5)

X線撮影室での説明(7月31日)

 文部科学省主催「放射線等に関する課題研究活動の支援」参加校の高校生 計35名

 7月31日、文化財におけるX線の利用及び文化財の化学分析手法について見学するために来訪。保存修復科学センターX線撮影室、分析科学研究室及び電子顕微鏡室を見学し、各担当者が業務内容について説明を行いました。

韓国国立文化財研究所との第二次研究交流

狂言師野村万作師へのインタビュー

 昨年11月の調印により、韓国文化財研究所との第2次の研究交流が始まりました。5月に、無形文化財研究室の高桑が韓国で調査を行いましたが、韓国文化財研究所から李明珍研究員が7月に来日し、1ヶ月間、狂言について調査を行いました。
 韓国では、無形文化財のありかたが日本とは異なり、日本のように重要無形文化財と重要無形民俗文化財には分かれていません。芸能に関しては、重要無形民俗文化財に相当するものがほとんどですし、伝承のあるべき姿についての基本的な考え方も異なります。芸能や制度の比較をおこなう際には、その相違をふまえる必要があるのですが、今回は、和泉流の狂言師にインタビューをおこないながら、日本での伝承のあり方について、認識を深めました。

「博物館・美術館等保存担当学芸員研修」の開催

文化財害虫同定実習の様子

 表題の研修は、文化財保存に必要な知識と技術をその任にあたる学芸員に伝えることを目的としています。7月9日より2週間開催した今年度の研修には、全国より30名の学芸員や行政担当者が参加しました。本研修は主に、(1)自然科学に立脚した保存環境に関する項目、(2)文化財の種類ごとの劣化要因とその防止対策に関する項目の2つの柱から講義や実習カリキュラムが構成されています。
 保存環境実習を実地で応用する「ケーススタディ」は国立歴史民俗博物館のご厚意により、同館で行いました。参加者が8つのグループに分かれて、それぞれが設定した温湿度や照度などの実地調査と評価を行い、翌日にその結果を発表しました。
 本研修参加者には、勤務館のみならず、地域の文化財保存における中核的存在となることを期待しております。募集要項は毎年2月頃、各都道府県教育委員会を通じて各施設に配布しておりますので、ぜひとも参加をご検討下さい。

ワークショップ「日本の紙本・絹本文化財の保存修復」の開催

基礎編における日本画制作技法のデモンストレーション
応用編における掛軸応急修理のデモンストレーション

 本ワークショップは在外日本古美術品保存修復協力事業の一環として毎年開催しています。本年度は7月11~13日の期間で基礎編「Japanese paper and silk cultural properties」を、16~20日の期間で応用編「Restoration of Japanese hanging scroll」をベルリン博物館群アジア美術館で行いました。
 基礎編では、制作、表具、展示、鑑賞という実際に文化財が私たちの目に触れるまでの過程に倣い、原材料としての紙・糊・膠・絵具、書画の制作技法、表具文化、取扱いまでの講義、デモンストレーション、実習を行いました。
 応用編では装潢修理技術による掛軸の修復に関して、実習を中心にワークショップを行いました。何層もの紙や裂から成る掛軸の構造、掛軸修復のための診断、伝統的な刷毛や刃物の取り扱、応急修理などに焦点を当てました。
 近年、日本の装潢修理技術が海外で認められ、海外の絵画、書籍などにも応用されるようになって参りました。しかし、海外の多くの修復技術者は、文献あるいは人伝に学んでいるのが現状です。本ワークショップを通して、一人でも多くの海外の修復技術者に本場の材料と技術を理解する機会を提供していきたいと考えています。

カンボジア・タネイ遺跡における建築測量研修

トータルステーション操作方法の実習
遺構実測の様子

 カンボジア政府アンコール地域遺跡整備機構(アプサラ機構)との協力協定に基づく新規の人材育成プロジェクトとして、アンコール遺跡群内のタネイ遺跡における建築測量研修を開始しました。本研修は、GPSとトータルステーションを用いた遺構実測と、取得したデータをCADに移行して行う図化作業までの一連の基本的手順をカンボジア人スタッフに習得してもらうことを目的とするもので、現場および室内での実習と講義を組み合わせたトレーニングコースを準備しています。来年度にかけて全四回を実施予定の研修の初回となる今回は、7月30日から8月3日までの5日間にわたり行われ、アプサラ機構のほか、プレアヴィヒア機構、JASAチーム等から建築及び考古を専門とする若手・中堅スタッフが計12名参加しました。研修生たちは技術を習得しようと皆熱心に取り組んでおり、当面は遺跡全体の現状平面図を完成することを目標にしています。

第1回ASEAN+3文化協力ネットワーク会合

会議集合写真
会議の様子

 フィリピンのボホール島で2012年7月20日から23日に開催された第1回ASEAN+3文化協力ネットワーク会合(Meeting of the ASEAN Plus Three Cultural Cooperation Network, 通称APTCCN)に、文化庁からの依頼により参加しました。ASEAN諸国及び中韓の文化行政担当官公庁と各国の文化遺産保護及び文化事業全般について情報交換と、ASEAN諸国の文化遺産保護支援のため資するための情報収集を行いました。昨年までは、東アジア文化遺産ネットワーク(Networking of East Asia Culture Heritage, 通称NEACH)と呼ばれていましたが、今後の五カ年計画に、1.無形、有形分野での専門家のネットワーク構築を通じての文化分野での地域間協力の強化、2.ASEAN+日中韓における固有のアイデンティティの発展、3.文化遺産マネジメント、文化分野における人材育成、中小規模の文化企業の発展における共通認識の必要、といったより広い課題が含まれたことにより、会議名称の変更がありました。
 2013年は、ASEAN日本交流40周年記念にあたります。ASEAN諸国と日本の関係性を深めるうえでも、この会合の重要性は今後、より増加していくと考えられます。

寄附金の受入

東京美術倶楽部にて感謝状贈呈(6月11日)

 東京美術商協同組合から東京文化財研究所における研究成果の公表(出版事業)の助成を、また、株式会社東京美術倶楽部から東京文化財研究所における研究事業の助成を目的として、それぞれ寄附金のお申し出があり、ありがたく拝受いたしました。
  6月11日、東京美術商協同組合において、六川研究支援推進部長から東京美術商協同組合総支配人 喜好勝美氏に、東京美術商協同組合 下條啓一理事長及び株式会社東京美術倶楽部 浅木正勝代表取締役社長宛の感謝状を贈呈しました。
  当研究所の事業にご理解を賜りご寄附をいただいたことは、当研究所にとって大変ありがたいことであり、研究所の事業に役立てたいと思っております。

to page top