韓国 国立現代美術館との学術・文化交流に関する協定書の締結

美術研究センター(ソウル館)
美術研究センター(果川館)
Larchiveum (清州館)
検索システム(果川館)

 令和8(2026)年5月1日、韓国 国立現代美術館と東京文化財研究所は、「学術・文化交流及びその他の活動に関する協定書」を締結しました。本協定は、文化財情報資料部文化財アーカイブズ研究室が中心となって進めたもので、両機関が所蔵する近現代美術資料に関する調査研究、同資料および学術情報に関するデジタル情報の共有、日韓近現代美術に関連するシンポジウム・研究会等の共同事業、職員交流を推進することを目的とするものです。

 国立現代美術館は、韓国を代表する近現代美術館であり、果川、徳寿宮、ソウル、清州を拠点として、展覧会、作品収集、保存、教育、研究に加え、アーカイブ事業にも積極的に取り組んでいます。同館の美術研究センターでは、韓国近現代美術研究の基盤を整備するため、作家・建築家・批評家などの個人アーカイブ資料や、国立現代美術館の展覧会・教育・研究活動の過程で生成された資料を収集・整理・保存し、公開しています。これらの資料は、国立現代美術館公式サイト内の「アーカイブ検索」から検索することができます。

 また、清州館には、図書館(Library)、アーカイブ(Archive)、ミュージアム(Museum)を組み合わせた空間として「Larchiveum(ラキビウム)」が設けられています。Larchiveumでは、国立現代美術館の所蔵品を中心とした韓国近現代美術に関する多様なコンテンツを収集・管理しており、来館者は館内で資料を自由に閲覧することができます。資料を保存・管理するだけでなく、来館者が美術資料に親しみ、調査・研究や学習に活用できる場として運営されている点も、同館のアーカイブ事業の特徴といえます。

 これらのアーカイブ資料のうち閲覧可能なものについては、利用者が所定の手続きを経て申請することで、果川館またはソウル館の美術研究センターにおいて、原本またはデジタル資料を閲覧できるようになっています。開室情報や利用案内は、国立現代美術館の「Library and Archive」から確認できます。さらに同館は、オンライン研究プラットフォーム「MMCA Research Lab」を運営しており、韓国近現代美術に関する年表、論考、用語解説、研究会記録などを公開しています。このように、アーカイブ資料を単なる保存対象にとどめず、研究・教育・情報発信に広く活用している点に特徴があります。

東 京文化財研究所では、これまでも文化財アーカイブズ研究室を中心に、美術に関する所蔵資料の調査・整理・保存・公開に取り組むとともに、国内外の関係機関との情報共有を進めてきました。今回の協定締結を契機として、今後は両機関が所蔵する近現代美術資料に関する情報交換や共同調査を進めるとともに、資料のデジタル化やシンポジウム・研究会の開催を通じて、日韓の近現代美術研究に資する基盤形成を図っていきます。あわせて、アーカイブ資料の効果的な活用方法についても情報交換を行い、より充実した活用へとつなげていくことを目指します。

参照URL
・国立現代美術館 アーカイブ検索
https://www.mmca.go.kr/research/archiveSearchList.do

・国立現代美術館 図書検索
https://www.mmca.go.kr/bookArchive/searchBookList.do

・国立現代美術館 Library and Archive
https://www.mmca.go.kr/eng/bookArchive/bookArchiveMain.do

・MMCA Research Lab
https://www.mmcaresearch.kr/

(202605 / 橘川英規, 田代裕一朗)