令和3年度博物館・美術館等保存担当学芸員研修(上級コース)の開催

修復材料の種類と特性についての講義
生物被害対策実習における見学の一コマ

 令和3(2021)年7月5日から9日の5日間の日程で「令和3年度博物館・美術館等保存担当学芸員研修(上級コース)」を開催しました。昨年度は文化財活用センターとの共催で本研修を開催しましたが、研修内容を明確化し、保存担当学芸員にとってより有益な研修となるよう、今年度は文化財活用センターが担当する「基礎コース」と東京文化財研究所が担当する「上級コース」とに分けて実施することになりました。
 東京都にまん延防止等重点措置が出されている中で、検温、消毒、マスク着用を徹底し、コロナウイルス感染症対策を講じながら実施しました。
 研修は保存科学研究センターの各研究室が1日もしくは半日単位で受け持ち、それぞれの専門性に沿った内容の講義・実習を行いました。上級コースはすでにこれまで博物館・美術館等保存担当学芸員研修を受けた方を対象にしているため、それぞれに自館の問題点や課題を認識して受講される方が多く見受けられました。最終日は昨今の災害を踏まえ、文化財の防災・減災に関する講義がなされました。博物館・美術館等でいかに災害に向き合い対策するか、文化財防災に対して果たす役割を考える貴重な機会となりました。
 アンケート結果からも今後業務を行っていく上で助けとなる引き出しを増やすことができたなど、役に立ったとの意見が多く寄せられました。
 今回、上級コースとして初めての開催となりましたが、本研修の課題等が見えましたので、来年度以降、よりよい研修となるよう改善していきたいと思います。

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