トルコ共和国における壁画の保存管理体制に関する調査

トルコ共和国文化観光省での面談の様子
教会壁画の視察調査(ウフララ渓谷)

 文化遺産国際協力センターでは、トルコ共和国における壁画の保存管理体制を把握すべく、6月18日から24日までの日程で現地調査を実施しました。アンカラでは、これまで同国内で数々の壁画修復事業を行ってきたガーズィ大学芸術学部文化財保存修復学科を訪問し、各事業で実際に行われた保存修復方法について説明を受けました。また、文化観光省では、トルコ共和国における壁画維持管理のさらなる充実を目指した当センターとの協力体制の構築について、文化遺産博物館局次長らとの合意が形成されました。さらに、岡浩駐トルコ共和国日本国特命全権大使への表敬訪問では、昨今の国際情勢を踏まえ、現地の最新の治安情勢・文化政策等についての意見交換が行われました。
 視察調査としては、(公財)中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所所長大村幸弘氏の解説で、日本のODAにより建設されたカマン・カレホユック考古学博物館等の見学、カッパドキアギョレメ地区、ウフララ渓谷に点在する教会壁画の保存状況に関する調査を行いました。
 今後は、トルコ共和国各地の教会壁画の視察調査を継続するとともに、現時点における同国の壁画維持管理への理解を深め、改善点や課題を見出しながら、未来を担う壁画保存修復士および保存管理従事者の育成を目指した活動を実施する予定です。

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