アンコール・タネイ遺跡保存整備のための現地調査XX-中央伽藍前十字テラスの 保存修復に向けた予備調査(3)
ナーガ欄干材の移動の様子
移動後のナーガ欄干材仮置き場の様子
アンコール・シェムリアップ地域保存整備機構(APSARA国立機構)とのタネイ遺跡における協力事業では、中央伽藍の正面に位置して寺院景観上も重要な構成要素である、十字テラスの保存修復に向けた予備調査を令和6(2024)年より継続しています。このテラスは、樹木の生育やテラス内部を構成する盛土の流失等により、多くの箇所で変形・崩壊が進行した状態にあります。さらに、テラス側壁の中間層を中心に、構成材の一部が人為的に持ち去られていることがここまでの調査で判明しており、このことも荒廃の一因と考えられます。
テラス周辺に散乱していた石材の発掘調査では、これまでに計152材を発見してきました。形状や装飾を手掛かりに材の種別を同定したところ、テラス上面の外周を縁取るナーガ(蛇)を象った欄干の構成材がその約半数を占めていました。令和7(2025)年11月16日~12月4日に職員2名を派遣し、これらのナーガ欄干材を回収して一時保管場所に移動、整理する作業をAPSARA国立機構のスタッフとともに行いました。各部材の記録と並行して、材同士の接合関係や技法に関する調査を行った結果、計4材の欄干材を複数の破片から再構成できたほか、材同士を接続する技術などの発見にもつながりました。
これまでの調査経過は以下の活動報告からご覧いただけます。
– 予備調査(1) https://www.tobunken.go.jp/materials/katudo/2385236.html
– 予備調査(2) https://www.tobunken.go.jp/materials/katudo/2398781.html
