第19回無形文化遺産部公開学術講座「普及から考える伝統芸能の継承」の実施
令和7(2025)年11月7日、東京文化財研究所地下セミナー室で第19回無形文化遺産部公開学術講座「普及から考える伝統芸能の継承」を開催しました。
まず前半では、無形文化遺産部無形文化財研究室長・前原恵美より趣旨説明を行い、その後、文部科学省初等中等教育局教科書調査官の飯田勉氏に「学習指導要領と教科書の中の伝統芸能」として、学校教育での伝統芸能普及の柱となる指導要領と、その具体的な指針ともなる教科書における伝統芸能の扱いについてご講演いただきました。続いて、無形文化遺産部研究員・鎌田紗弓より報告①として「東京都の学校における伝統芸能体験の取り組み」、前原より報告②として「沖縄県における学校内外での伝統芸能普及の取り組み」について発表を行い、それぞれの伝統芸能普及への取り組みの現状や課題について整理しました。
後半は、演奏・対談①として杵屋勝四寿(かつしず)氏と杵屋勝司郎(かつじろう)氏にご登壇いただき、長唄『鞍馬山』の演奏後、それぞれが伝統芸能にかかわるようになったきっかけや、その後の修練の過程についてお話を伺いました(【写真1】、聞き手は鎌田)。さらに演奏・対談②では、琉球古典音楽・歌三線の棚原健太氏をお迎えし、『本花風節(むとぅはなふうぶし)』、『下出し述懐節(さぎんじゃしすっくぇーぶし)』の演奏に続いて、琉球古典音楽との出会いや、その魅力、演奏家として活動し続ける上での課題等についてお話を伺いました(【写真2】、聞き手は前原)。
最後の座談会では、ご登壇頂いた皆様に加えて、教員養成を通して伝統芸能の普及に取り組んでいる宮城教育大学教授の小塩さとみ氏に加わっていただき、学校教育内外における伝統芸能教授・普及の現状や課題について、それぞれの地域や立場からの意見交換を行いました(【写真3】)。
今後も無形文化遺産部では、無形文化財の普及・継承について、様々な立場の方々と連携しながら情報を共有し、課題解決の糸口を模索していきたいと思います。なお、本講座の報告書は次年度刊行、PDF公開予定です。
