日韓共同研究報告会2007の開催
當麻寺(奈良県)石造五輪塔の調査
東京文化財研究所保存修復科学センターでは、国際共同研究「文化財における環境汚染の影響と修復技術の開発研究」に関して、大韓民国・国立文化財研究所と共同で、石造文化財、特に磨崖仏の保存修復について調査研究を進めています。その中で、両国の研究者がより親密に研究交流できるよう、毎年研究報告会を相互で開催しております。
今年度は10月18日(木)、東京文化財研究所地下会議室にて研究報告会を開催しました。韓国側からは、李柱玩氏・全昞圭氏(国立文化財研究所)・李讚熙氏(公州大学校)をお招きし、石造文化財の劣化診断や保存環境、汚染物除去の事例報告についての講演を行いました。日本側からは朽津信明・早川典子・森井順之の3名が講演し、石造文化財の保存修復について両者による深い議論が交わされました。 研究報告会の後は、韓国側研究者と共に、関西地方の石造文化財についてその保存状態と周辺環境に関する調査を行ってきました。当日は悪天候にも関わらず限られた時間の中で多くの石造文化財について調査・議論を行いました。今後もこうした共同調査を継続し、日本と韓国の研究交流がより深いものになればと願っています。