島﨑清海旧蔵資料の受贈

創造美育協会の入会申込書(1952年)
左:ミス・ショウ著、宮武辰夫編『フィンガー・ペインティングについて』(1968年) 右:宮武辰夫『ミス・ショウ著 フインガー・ペインティングについて』(1955年、表紙絵:瑛九)

 島﨑清海(1923~2015)は、戦後の日本美術教育に多大な影響を及ぼした創造美育協会の本部事務局長を長らく務めた美術教育者です。同協会に関する膨大な資料を島﨑は遺しましたが、その一部をご遺族より当研究所へご寄贈いただきました。
 島﨑清海旧蔵資料については、その調査と研究にあたってこられた中村茉貴氏(神奈川県立歴史博物館会計年度任用職員・東京経済大学史料室臨時職員)に令和3(2021)年の文化財情報資料部研究会でご発表いただき、下記のURLでご報告しております。
創造美育協会の活動とアーカイブ―第5回文化財情報資料部研究会の開催 :: 東文研アーカイブデータベース (tobunken.go.jp)
 この度の資料受贈に際しても中村氏が目録を作成し、「「創造美育協会」の活動記録にみる戦後日本の美術教育」と題して『美術研究』439号(令和5(2023)年3月)にその紹介をかねた論考を寄稿されました。この論文でも紹介されておりますように、ご寄贈いただいた資料には創造美育協会が発行したパンフレットや機関誌、島﨑清海宛の書簡、スケジュール帳、日記の類が含まれ、同協会の活動はもちろん、瑛九や久保貞次郎といった美術家、評論家との交流のあとをうかがうことができます。整理のため、公開までしばらくお時間をいただきますが、戦後の日本美術教育史・美術史を研究する上での貴重な資料としてご活用いただければ幸いです。

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