バハレーンにおける文化遺産保護協力に向けた調査

アブ・アンブラ墓地に残る初期イスラム時代の墓碑

 令和4(2022)年7月22日から25日にかけて、中東のバハレーンを訪問し、新たな協力事業の立上げに向けてバハレーン国立博物館との協議を行うとともに、協力事業の対象とする遺跡等の現状等に関する現地確認を行いました。具体的には、モスクや聖者廟、墓地に残されている歴史的な価値のある初期イスラム時代の石造墓碑について、保護方法の確立に向けた技術面での協力をしてほしいとの要請が同館のサルマン・アル・マハリ館長からありました。バハレーン最古のモスクであるアル・ハミース・モスクやその近傍にあるアブ・アンブラ墓地に残る墓碑の保存環境を確認し、まずはフォトグラメトリとLiDARスキャナーによる墓碑の3次元計測から協力を開始することにしました。
 一方、バハレーン文化古物局と東京文化財研究所に金沢大学古代文明・文化資源学研究所を加えた三者は、バハレーンを含む湾岸諸国の考古学研究および文化遺産保護を促進するため、バハレーン国立博物館内に研究センターを新設し、ここを拠点に国際協力活動を展開することを目指しています。このセンターの設立方針に関してもサルマン館長と協議を行うとともに、駐バハレーン日本大使にも進捗状況を報告し、引き続き緊密に情報共有を図っていくことを確認しました。

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