イストリア地方(クロアチア)における壁画保存に向けた共同研究(その3)
チェックシートを用いた壁画の保存状態調査
調査対象の壁画(一例)
文化遺産国際協力センターでは、令和3(2021)年度より、運営費交付金事業「文化遺産の保存修復技術に係る国際的研究」において、壁画の維持管理および保存修復に係る共同研究に取り組んでいます。
その一環として、クロアチア文化メディア省美術監督局、イストリア歴史海事博物館、ザグレブ大学と共同で、クロアチアの北西部に位置するイストリア地方の教会壁画を対象にした維持管理システムの開発を進めています。この地域では、中世からルネサンス期にかけて数多くの壁画が制作され、その数は、現在確認されているだけでも150件にものぼります。その保存状態を調査・記録し、収集したデータを専門家の間で共有することで、維持管理に役立てていこうというのがこの研究のねらいです。
令和7(2025)年11月3日から7日にかけて現地を訪問し、第3回目となるチェックシートを用いた導入テストを実施しました。今回のテストでは、前回の成果と課題を踏まえ、より高精度な評価結果が得られるよう項目の見直しを行った結果、実用性の一層の向上が確認されました。現地機関からは本事業への深い理解と高い関心が示されるとともに、今後も継続的な協力を望む強い意向が寄せられました。今後は、これまでに築かれた連携関係をさらに発展させつつ、より充実した研究体制のもとで実践を重ね、壁画の保存と活用に資する持続的な維持管理システムの確立を目指して活動を継続していく予定です。
