文化財(美術工芸品)の修理記録データベースの開発過程―「Clarisカンファレンス2025」での報告
東京文化財研究所文化財情報資料部では、Claris International Inc.が提供するローコード開発プラットフォーム「Claris FileMaker」を用いて、およそ100の様々なデータベースを共有しており、文化庁「美術工芸品修理のための用具・原材料と生産技術の保護・育成等促進事業」の成果である「文化財(美術工芸品)の修理記録データベース」もその一つです。令和7(2025)年11月7日、東京文化財研究所は同社主催の「Clarisカンファレンス2025」において、本データベースに関する報告を行いました。
データベースの「作る」「貯める」「取り出す」「見せる」という各作業段階に対して、本データベースはこれらを一つの統合システム上で行うのではなく、複数のソフトウェアを利用し、データのみを共有する形でシステムを運用している点に特徴があります。具体的には、Microsoft Excel で作成したデータをClaris FileMaker に取り込み、公開に際してはWordPressを用いるという運用です。
報告「基準なき文化財修理記録のデータベース化を支えた Claris FileMaker の高い柔軟性」(発表者:小山田智寛・山永尚美・田良島哲・江村知子(文化財情報資料部))では、こうした運用が各作業段階に自由度の高さをもたらし、柔軟なレイアウト設計とスピーディーな要件定義を可能にしたことを述べました。こうした「作りながら考える」という開発プロセスのもと、今後も試行錯誤を繰り返しながら、多くの方のお役に立てる修理記録データベースの設計と構築を目指してまいります。
*今年度の事業成果は「2025年度 美術工芸品修理のための用具・原材料と生産技術の保護・育成等促進事業 報告会」(令和8(2026)年2月6日開催、https://www.tobunken.go.jp/info/event/2026/0206/)にて報告予定です。
