カンボジア人専門家招聘「カンボジア・アンコール・タネイ寺院遺跡東門修復竣工記念 技術交流事業」の実施
史跡整備事例(鴻臚館跡)の視察
東京文化財研究所文化遺産国際協力センターでは、カンボジア王国の世界遺産アンコール遺跡群・タネイ寺院遺跡において、カンボジア政府アンコール・シエムレアプ地域保存整備機構(アプサラ機構)と約20年間にわたって協力事業を継続しており、令和4(2022)年11月には、両者が協働で進めてきた同寺院遺跡東門の全解体修復工事が竣工したところです。
これを記念し、令和4(2022)年2月13日~19日にかけて、アンコール遺跡群の保存整備を担うアプサラ機構等の職員を日本へ招聘する技術交流事業を実施しました。今回、来日したのは副総裁のキム・ソティン氏と遺跡保全考古局長のソム・ソパラット氏、および昨年までアプサラ機構と当研究所との協力事業担当を務めたセア・ソピアルン氏(現サンボー・プレイクック機構所属)の3名です。
14日に「カンボジア・アンコール・タネイ寺院遺跡東門修復竣工記念 研究会 」を当研究所で開催した後、15日~18日にかけて、九州地方、関西地方を巡り、国指定重要文化財建造物保存修理工事現場(旧オルト住宅・旧長崎英国領事館本館ほか9棟・聖福寺大雄宝殿ほか3棟)や史跡整備の事例(国指定史跡鴻臚館跡)等のスタディツアーを行いました。
研究会やスタディツアーを通じ、遺産保護の研究や現場に関わる両国の専門家が顔を合わせて熱心な議論が交わせたことで、お互いの国の文化遺産の特徴や修理手法、整備方法等の相互理解がさらに深められた有意義な機会となりました。
※本事業は、文化財保護・芸術研究助成財団の助成を受けて実施しました。