ユネスコ「無形文化遺産保護条約に関する専門家会議」

無形文化遺産 「クッティヤッタム」

 去る 4月2日から3日間、ユネスコ・インド政府主催による上記会議が、各国 29名の無形文化遺産専門家の参加により、インドのニューデリーで開催されました。当研究所からは、無形文化遺産部の宮田が参加しました。
 この会議は、 5月の第1回臨時政府間委員会(中国、成都)及び9月の第2回政府間委員会(日本、東京)に向けた重要な会議として位置づけられるものです。討議は、条約の中心となる無形文化遺産の「代表リスト」と「危機リスト」に関して、その関係性やそれぞれの登録基準等をテーマに行われ、そこでの専門家の意見をユネスコ事務局が今後の作業指針原案作りに活かしていくことが目的とされました。しかし、参加した専門家間で、「代表性」や「緊急の保護」といった共通概念が十分でなかったため、やや抽象的議論に終始した感が否めず、結局の所会議としての勧告等の採択には至らずに終了しました。
 このように当初の目的からは必ずしも成功とはいえない会議でしたが、様々な文化プログラムなど、ホスト国のインドが示した無形文化遺産保護への意欲は並々ならぬものがありました。今後無形文化遺産部としても、インドとの交流を図っていく必要性を強く感じました。

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