モンゴルにおける拠点交流事業

モンゴル建築家協会会長との情報交換の様子
国立公文書館の科学技術図面資料センターで実測・復原図を閲覧している様子
国立公文書館の科学技術図面資料センターで実測・復原図を閲覧している様子

 モンゴルにおける拠点交流事業の一環として文化遺産国際協力センターより4名が3月9日から13日までウランバートル市を訪れ、石造遺跡の計測・記録作成および建造物修復の技術協力を行うための打ち合わせと情報収集を行いました。来年度の事業の展開については、国立文化遺産センター所長エンフバット氏とヘンティ県の遺跡保護の研修について、モンゴル教育・文化・科学省の博物館・歴史文化財担当主席専門官オユンビレグ氏とは建造物修復研修について、それぞれのカウンターパートとの準備を進めることができました。なかでも、建造物の研修に関連して今回面会したUMA(モンゴル建築家協会)会長とは、モンゴルの文化財建造物の修復における建築家の役割、修理設計方法の確立、修理事業の現状と人材育成の課題、現場の施工と管理、関係資料などについて情報交換を行いました。さらに、国立公文書館の科学技術図面資料センターを訪れたところ、1939年以降の修理関係資料も含めてモンゴルの建築関係資料全てが収められていることに感銘を受けました。また、閲覧できた1980年代作成の古寺院の実測図・復原図からは、日本で行われている調査方法との共通性を見出すことができました。今回、双方の交流を通じた、モンゴルに最適な文化遺産の保護と、この分野に携わる専門家と次世代との育成という、拠点交流事業の目的を達成する道筋が見えた訪問になりました。

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