キトラ古墳壁画の漆喰取外し

ワイヤソーによる漆喰取外しの様子
現在のキトラ古墳天井(紫は石材露出部分)

 保存修復科学センターでは文化庁からの受託事業「特別史跡キトラ古墳保存対策等調査業務」の一環としてキトラ古墳壁画の取外しを行っています。現在、石室内は微生物による汚染の増大が懸念されており、より早期に漆喰を取外すことが求められています。そこでこれまで月に1回、3日間程度実施していた取外し作業を、今年度からは1ヶ月間連続して行うことにしました。第1回目は5月11日からスタートし、主に天井南側の漆喰を取り外しました。1ヶ月間集中的に作業を行うことで効率を上げて取り外すことが可能となりました。また、図像のある漆喰は全て取外されていることから、紫外線照射による微生物の制御を行い、良好な結果が得られています。今回の作業の成功を踏まえ、今秋にも集中的な取外しが実施される予定です。

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