保存修復科学センター

キクイムシやフナクイムシによる被害状況

 保存修復科学センターでは、「周辺環境が文化財に及ぼす影響評価とその対策に関する研究」プロジェクトの中で、木造建造物の劣化状況についても調査を行っています。屋外の環境にさらされる木造建造物の中でも、特に広島県廿日市市宮島町にある厳島神社は、厳しい気候や海水の影響など過酷な条件のもとに存在しています。強い紫外線や風や雨の影響、海水の存在や波による影響、また、海中のキクイムシやフナクイムシなどの被害も甚大です。現在、このような状況で木材の劣化を軽減する方法や、劣化した木材の修復方法や修復材料などについて、研究中です。そのために、強度試験や硬化試験などの物性試験や、現地での様々な形態での曝露試験を行って最適な手法を検討中です。このような調査によって得られた成果は、他の木造建造物にも活用することが期待されています。

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