北米美術図書館協会年次大会での発表

発表の様子
発表スライド

 新型コロナウイルス感染症の影響は長らく続いており、以前であれば大勢の関係者が一堂に会して行っていた会議などはオンラインで開催されることが多くなっています。北米美術図書館協会の年次大会も、昨年に続きオンラインで開催され、令和3(2021)年5月13日にゲッティ研究所と共同でBuilding Bridges: Working Together to Disseminate Japanese Art Literatureと題した発表を行いました。東京文化財研究所からこの大会で発表を行うのは初めての機会でした。当研究所では平成28(2016)年にアメリカのゲッティ研究所と共同研究に関する協定書を締結し、明治期の美術雑誌『みづゑ』をはじめ、明治から昭和初期の美術展覧会図録、江戸時代の版本など、東京文化財研究所の蔵書をデジタル化し、ゲッティ研究所が運営するヴァーチャル図書館であるゲッティ・リサーチ・ポータルに情報提供し、インターネット公開を進めています。発表ではこれまでの共同研究事業の経緯や成果について紹介し、各国の所蔵資料を横断検索することでもたらされる新たな視点を具体的に示しました。世界的に外出や移動が制限される中、オンラインで貴重な研究資料が随意に利用できるヴァーチャル図書館は、さらにその重要性を増しています。これからも国内外の研究機関と協力して、広く文化財の研究に役立つ情報発信を推進してまいります。

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