評価セミナー2017:ワークショップ「漆工芸品の保存と修復」の開催

セミナー終了後、発表者を囲んでの集合写真

 在外の漆工芸品の保存と活用に必要な知識や技術を伝えることを目的として、平成18(2006)年よりワークショップ「漆工芸品の保存と修復」をドイツ、ケルン市のケルン市博物館東洋美術館の協力のもと実施してきました。過去10年間で17カ国延べ179名の学生及び専門家が受講しています。本年はこれまでのワークショップの成果を計るため、平成29(2017)年11月8~9日に東京文化財研究所において評価セミナーを行いました。
 過去の受講生に対して行ったアンケート調査に合わせて発表希望者を募り、4か国(アメリカ、ギリシャ、ドイツ、ベルギー)4名の文化財保存修復技術者や大学教員を招きました。2日間のセミナーのうち、1日目は招待した発表者が本ワークショップ受講後に行った修復プロジェクトや教育活動において、得た知識や技術等を個々の職においてどのように活用しているのか、その実態と課題を共有しました。2日目には当研究所からのアンケート結果に関する発表の後、参加者全員によるディスカッションを行いました。在外の漆工芸品の保存修復に関する問題点やワークショップを提供することでそれらがどのように改善できるのかといったことなど、活発な議論が交わされました。

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