第2回韓国美術史コロキアムの開催
コロキアム当日の様子
文化財アーカイブズ研究室では現在、韓国絵画調査資料(戦前期のガラス乾板・台紙貼写真)の整理を進めています(※)。資料整理にあたって、日本国内の研究者だけでなく、韓国の研究者とも意見交換をおこなっており、令和6(2024)年1月には韓国の代表的な近代美術史研究者である睦秀炫氏(モク・スヒョン、韓国近現代美術史学会附設近現代美術史研究所所長)を研究所に招へいしました。資料に関する検討会議と合わせて、1月26日には来日を記念した「第2回 韓国美術史コロキアム」(※第1回は、張辰城氏を招いて前年11月18日に実施)を東京文化財研究所地下セミナー室にて開催しました。これは日本国内の研究者・学生が、韓国美術史研究の動向と現状に触れる機会として企画したものです。今回は「韓国における「博物館」の設立」という題で博物館制度史に関するお話をしていただき、司会通訳を企画者の文化財情報資料部研究員・田代裕一朗が務めました。コロキアムには、大谷大学教授・喜多恵美子氏、東京藝術大学准教授・李美那氏をはじめ、関連分野の研究者・大学院生が参加し、小規模な集まりならではの忌憚のない学術的議論が行われました。今後も当研究所が蓄積してきた資料の整理を進めつつ、同時に海外と日本の研究者を繋ぐ架け橋としての役割を果たしていければ幸いです。
(※) 国外所在文化財財団助成「韓国絵画調査写真(東京文化財研究所所蔵)の研究」(令和5<2023>年9月~令和6<2024>年8月、研究代表者:田代裕一朗)