タジキスタンにおける壁画片の保存修復(第三次ミッション)
現地の研修生とともに、接合前の壁画片の状態調査を行っている様子
平成20年11月18日から12月14日まで、タジキスタン国立古物博物館において壁画の保存修復作業を、現地の研修生4名とともに実施しました。今回で、タジキスタンへのミッション派遣は3回目となります。
第二次ミッション(8~9月)において、博物館が所蔵する異なる遺跡から出土した壁画片の予備的調査を完了したので、今回は、いよいよ本格的な保存修復作業を開始し、タジキスタン北部のカライ・カフカハ(シャフリスタン)遺跡から出土した7―8世紀の壁画2点を最初の修復対象としました。2点とも小さな断片に割れてしまっているため、断片の接合が大きな課題となりました。適当な粘度と強度を持つペースト状の接着材を調整し、断片を一つ一つ慎重に接合しました。次回ミッションでは接合作業を完了し、修復作業の最終段階であるマウント(新しい支持体への固定)にとりかかる予定です。