ドイツ・ケルン東洋美術館における漆の修復ワークショップの実施

修復した漆工品を前にした講義
麦漆による接着や刻苧つけの実習

 保存修復科学センターでは、平成20年度在外日本古美術品保存修復協力事業の一環として、ドイツ・ケルン東洋美術館において漆の修復ワークショップを昨年度に引き続き行いました。本年は、ワークショップⅠ(初級実習)を受講者10名で11月5日~11月7日の3日間、ワークショップⅡ(初参加者対象)を受講者10名で11月8日、同(学生対象)を受講者7名で11月9日にそれぞれ1日間、ワークショップⅢ(中級実習)を受講者7名で11月11日~11月14日の4日間の3つのレベル別グループにわけて実施しました。講師は、現地において修復作業を実施してくださった技術者2名です。参加者は、ドイツ国内はもちろん、イギリス、スイス、オーストリア、ポーランドなどヨーロッパ各地から学芸員や文化財の修復技術者など、日本の伝統的な漆工品修理に関心が高い人達ばかりでした。ワークショップでは、在外漆工品における修復事例の報告、漆ヘラつくりや修復実習用の手板を用いた麦漆による接着や刻苧付け、竹ひごによる芯張り実習など多岐に渡りましたが、皆、大変熱心で質問も多く、とても盛況でした。

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