東大寺戒壇堂安置の国宝・塑造四天王立像に関する調査

X線撮影調査風景
三次元計測調査風景

 保存修復科学センターでは、「文化財の防災計画荷関する調査研究」の一環として、塑像の耐震対策に関する研究を行っております。今回、国宝・塑造四天王立像(東大寺戒壇堂安置)を対象に、現状把握および耐震対策の立案を進めました。
 この国宝・塑造四天王立像は、奈良国立博物館により、平成14(2002)年に開催された特別展「東大寺のすべて」に出品する際に調査が行われました。今回は三次元計測および、以前の調査で撮影不可能な部分を補完するためのX線透過撮影を実施し、今後行う予定の耐震診断に必要な情報収集を行いました。
 三次元計測に関しては、凸版印刷株式会社と共同で調査を行いました。複雑に配置された塑像に対して移動させることなく計測可能なシステムとして、凸版印刷株式会社で開発中のステレオカメラの移動撮影に基づいた簡易形状計測システムを採用した結果、レーザー三次元計測では撮影が難しいとされる入り組んだ部分についても情報を得ることができました。今後はこれらの計測結果をまとめたうえで、塑像の耐震診断を行う予定です。

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