シルクロード人材育成プログラム古建築保護修復研修コース終了

修了証書授与

 昨年秋の北京での3カ月間の研修に引き続き、中国青海省のチベット仏教寺院、塔爾(タール)寺で4月初旬から4カ月間の日程で実施してきたシルクロード人材育成プログラム古建築保護修復研修コースが無事に終了し、7月31日、中国国家文物局、中国文化遺産研究院、東京文化財研究所、青海省文物局、塔爾寺、そして本事業の資金提供者である中国サムスン社からそれぞれ代表が出席し、修了式を開催しました。新疆、甘粛、寧夏、青海、陝西、河南の各省・自治区から集まった計12名の研修生は、必ずしも全てが同じ建築保護の経験を持っているわけではなく、研修カリキュラムが求めている内容の理解や、成果の達成に苦労しました。しかし各自が持つ能力を活かし、互いに助け合いながら合計7カ月に及ぶ長期研修を乗り切ることができました。日本側講師、中国側講師も研修生が直面している様々な問題について一緒に考え、解決の道を探しました。文化遺産保護が、いかに多くの人々の智恵と技術を結集したものであるかを実感させる7カ月間であったと言えます。その結果、研修生たちは、昨年の北京・故宮紫禁城での調査報告書、今年の塔爾寺での調査報告書、そして個人テーマによる研究論文12本をまとめた実習報告書を完成しました。彼らはすでにそれぞれの所属機関に戻り、日常の作業に従事しています。今回の研修が、彼らがこれから歩む道の足下を照らす、心強い灯りとなってくれることを願っています。

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