『平等院鳳凰堂仏後壁調査資料目録―近赤外線画像編』の刊行

 平等院では、平成15年から20年までの間、鳳凰堂の平成大修理が行われ、阿弥陀如来坐像、および、その光背・台座等を境内の特設工房に遷されました。これを機に、平成16・17年に平等院のご理解とご協力のもとに、仏後壁前面画の詳細な光学調査を実施し、高精細デジタル撮影技術を駆使して詳細に壁画の現状を記録することができました。その成果報告として2月26日に『平等院鳳凰堂仏後壁調査資料目録―近赤外線画像編』を刊行いたしました。本書は昨年度刊行の『平等院鳳凰堂仏後壁調査資料目録―カラー画像編』に続くものです。周知の通り、平等院鳳凰堂の仏後壁前面に描かれた板絵は、普段、本尊・阿弥陀如来像の背後に位置するため、画面の全貌を詳細に把握することは容易なことではありません。本書はこれからの平等院鳳凰堂仏後壁前面画の研究のとどまらず、広く平安仏画の研究に大いに活用されることになるものと思われます。なお、来年度は『平等院鳳凰堂仏後壁調査資料目録―蛍光線画像編』の刊行を予定しています。

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