大エジプト博物館保存修復センター 人材育成研修の開催とセンター開所
IPM研修 実習の様子
文化遺産国際協力センターでは、国際協力機構(JICA)が行う大エジプト博物館の付属機関である保存修復センターの設立と稼働に向けた技術支援プロジェクトへの協力を続けています。
その一環として、5月14日から22日の日程で、日本人専門家3名を講師として現地へ派遣し、「IPM研修」を保存修復センター内で開催しました。IPMとはIntegrated Pest Managementの略で、ここでは文化財の有害生物被害の防除などを行う総合的管理をさします。研修前はIPMの考え方は保存修復センター職員には殆ど知られていませんでしたが、研修終了後、エジプト人が独自にモニタリングを行うなど継続的な管理活動に結びついています。
6月14日には、スーザン・ムバラク現大統領夫人が出席して、保存修復センターの開所式が行われました。現在の職員数は、保存修復専門家と他職員あわせて120名を超え、今後も増員が考えられています。また既に、センター内に数千点の遺物が運び込まれ、保存修復作業が少しずつ始まっています。
今後も、センターの本格的稼働に向けて、多様な専門家各個人のレベルにあわせた効果的な人材育成への協力を引き続き進めていきます。