文化庁「外国人芸術家・文化財専門家招へい事業」によるアルメニア文化省副大臣招へいと研究会の開催

研究会での講演(写真左が副大臣)

 東京文化財研究所は、文化庁「外国人芸術家・文化財専門家招へい事業」の枠組みにおいて、平成25年1月10日から1月18日までの10日間、アルメニア共和国よりアレヴ・サミュエルヤン文化省副大臣を日本に招へいしました。
 サミュエルヤン副大臣は滞在期間の前半に、東京国立博物館や国立西洋美術館のバックヤードや展示、ならびに清水寺に代表される京都や奈良の歴史的建造物の保存修復現場などを精力的に視察し、専門家らと意見交換を行いました。1月16日には東文研にて開催された「アルメニア共和国における文化遺産保護および日本の協力事業」に関する研究会で、「アルメニア共和国における文化財保護の現状」について講演を行ないました。日本側からは「アルメニア共和国相手国調査報告(文化遺産国際協力コンソーシアム)」、「文化庁拠点交流事業「考古金属資料に関する保存修復人材育成・技術移転(文化遺産国際協力センター)」、「アルメニア建築の周辺諸国への伝播」、「アルメニア歴史博物館における染織品保存修復ワークショップ(国際交流基金)」の発表を行い、アルメニア文化遺産保護と日本の協力について広く一般に知っていただくとともに、アルメニアに関係する機関や研究者とのネットワーク構築のよい機会となりました。また、1月17日には近藤誠一文化庁長官を表敬訪問し、文化遺産保存に対する日本の協力に謝意を述べるとともに、今後の継続的な支援を求めました。
 本招へいは、現在の協力関係をより一層緊密にし、さらに、文化遺産保護だけにとどまらず日本とアルメニア共和国との様々な分野における協力・交流事業の促進する機会となりました。

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