アルメニア歴史博物館所蔵考古金属資料の保存修復ワークショップおよび国際セミナー開催

国内ワークショップの実習風景
国際ワークショップの実習風景
国際ワークショップ実習時の参加者同士の意見交換の様子

 文化遺産国際協力センターでは、文化庁委託文化遺産国際協力拠点交流事業の一環として、平成24年11月にアルメニア歴史博物館にて同館所蔵の考古金属資料の保存修復ワークショップを開催しました。11月6日~17日までの10日間はアルメニア国内専門家を対象とした第3回国内ワークショップを開催し、前回と同メンバーのうち8名が参加しました。前回に引き続き、考古金属資料の錆や付着物の除去といった表面クリーニングを行った後、金属表面の元素分析を可搬型蛍光X線分析計(XRF)を用いて行い、研究を深めました。また、防錆処理や表面コーティング、接着や欠損部の充填の実習を行い、保存や展示に向けた資料の処理方法を学びました。
 また、11月21日~28日の7日間、アルメニア国内専門家4名のほか、グルジア、イラク、カザフスタン、キルギズスタン、ロシアの5カ国から6名の金属資料保存に関する専門家をアルメニアに招聘し、さらにまた、アルメニアの考古金属資料の調査研究を行っているアルメニア人考古学者らを招き、国際ワークショップを開催しました。アルメニアの金属文化財に関する研究や、自国の博物館や保存修復の状況を発表しあうことで、情報交換と広域ネットワーク構築に貢献しました。
 次回はアドバンス・コースとして、これまでにワークショップで学んだ保存修復知識と技術を応用し実践を行うとともに、製作技術研究のまとめを行う予定です。

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