染織品保存修復に関する講演会の開催

アン・フレンチ氏講演会
収蔵のデモンストレーション

 文化遺産国際協力センターでは、2012年10月19日にマンチェスター大学ウィットワース美術館のアン・フレンチ氏(収蔵品管理責任者・染織品保存修復士)の講演会を開催しました。「古代から現代へ‐ウィットワース美術館の染織コレクションとその保存修復」と題された講演では、同館が1898年に設立されて以来、テキスタイル技法やデザイン資料として収集された3世紀のエジプトの染織品から日本の現代作家のテキスタイル・アートまで幅広いコレクションが紹介されました。染織品の所蔵品は2万点におよび、小学生から専門家まで幅ひろい利用者からの閲覧要請にも応える必要があり、工夫を凝らした数々の展示と収蔵の事例が説明されました。日本の染織コレクションとして着物、小裂、型紙が紹介され、それらの保存や修復について、フレンチ氏からも疑問が投げかけられ、講演会参加者らと活発な議論が展開されました。専門性の高い講演会でしたが、多くの方々に参加いただきました。当センターでは国際的に文化財の保存と活用に関する情報を共有する企画を今後も行いたいと思います。

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