アルメニア歴史博物館所蔵考古金属資料の第2回保存修復ワークショップ開催

「金属考古資料の表面クリーニング実習」

 文化遺産国際協力センターでは、文化庁委託文化遺産国際協力拠点交流事業の一環として、平成24年5月29日から6月8日までの9日間、アルメニア歴史博物館にて同館所蔵の考古金属資料の保存修復に関する人材育成ワークショップを開催しました。今年(2012年)1月から2月にかけて行ったワークショップに続き、今回は第2回目の開催となります。アルメニア歴史博物館のほか、アルメニア国内の他機関所属の若手専門家合計10名が参加しました。
 考古金属資料の錆や付着物の除去といった表面クリーニングと脱塩をテーマとし、今回から本格的な保存修復処置を開始しました。日本での保存修復事例、保存修復処置一般、考古金属クリーニング、脱塩に関する講義のほか、写真撮影、状態調査、展示・修復計画、保存修復処置の実習を行い、アルメニア人専門家の知識と技術の向上に貢献しました。
 次回のワークショップでは、今回の錆除去などの表面クリーニングを引き続き行った後、来年以降の博物館での展示に備えた処置を行います。また、保存修復処置を終えた資料の元素分析を再度実施し、製作技術の研究をさらに深める予定です。

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