第20回無形民俗文化財研究協議会「民俗文化財をネットワークで守り、活かす」

総合討議の様子

 令和7(2025)年12月5日、東京文化財研究所において、第20回無形民俗文化財研究協議会「民俗文化財をネットワークで守り、活かす」を開催しました。
 平成31年(2019)の文化財保護法改正により、文化財の「活用」が謳われるようになってすでに6年が経過しました。しかし、予算や人手が恒常的に削減されるなか、文化財を実際どのように活用していけばよいのか、暗中模索している自治体も多いのではないでしょうか。とりわけ民俗文化財の分野では、活用以前に、保存・継承そのものが大きな課題となっているのが現状です。
 今回の協議会では、こうした状況に対処するひとつの方法として「ネットワーク化」に焦点を当て、民俗芸能や民俗技術といった無形民俗文化財に加え、これらと不可分の関係にある有形の民俗文化財も含めたネットワークの実践事例を取り上げ、各地の取り組みを報告いただきました。
 発表と議論を通じ、ネットワークの意義や果たすべき役割が、具体的な事例をもとに再確認されました。例えば、他者の視点や比較の視点が加わることで文化財の価値が再発見されたり、前向きな意識が醸成されたりすること、あるいは課題や解決策を共有することで、岐路に立った際の検討材料や選択肢が広がること、さらには、「仲間」の存在が日常的な相談や相互の励みに繋がり、保存・継承を支える重要な要素となりうる点なども共有されました。あわせて、ネットワークを持続させるための体制づくりや、人材・財源の確保といった具体的な方策についても意見交換が行われました。
 参加者からは「この協議会自体がひとつのネットワークである」という声も寄せられました。無形文化遺産部では、今後も協議会等を通じて情報の集約や発信を行い、ネットワークのハブとしての役割を果たしていきたいと考えています。
 協議会の全内容は、年度内に報告書にまとめ、PDF版を無形文化遺産部のホームページでも公開する予定です。ぜひご参照ください。

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