西アジア考古学パイオニアセミナー開催
講演中の佐々木達夫先生
令和7(2025)年11月8日(土)に、金沢大学名誉教授・佐々木達夫先生をお迎えして「ペルシア湾岸地域の遺跡を掘る」と題する講演会を開催しました。
この講演会は、西アジアとその周辺地域における考古学研究を切り開いてきた第1世代の研究者を招いて日本西アジア考古学会が平成30(2018)年から開催している、「パイオニアセミナー:西アジア考古学を切り開いてきた開拓者たち」の第7回目にあたります。今回は東京文化財研究所と同学会の共催により、本研究所セミナー室を会場とする対面とオンライン配信を併用する形式で実施し、合わせて90名の皆様にご参加いただきました。
文明交流史をご専門とする佐々木先生は、陶磁器の流通を研究の中心に据えつつ、日本からイラク、エジプト、インド洋、ペルシア湾岸や同地域の砂漠地帯の遺跡まで、数多くの発掘調査に携わってこられました。現地の情勢や治安が安定しないなかでも調査研究を継続し、現地研究者らとの交流を深めるとともに、遺跡の保護活動にも尽力してこられました。各国での調査をめぐる事情や遺跡保護に対する考え方の違いに直面しながら、日本人研究者として第一線を走ってこられた先生のお話は、現役世代として今まさに遺跡調査に関わっている者だけでなく、西アジア世界や考古学に思いを馳せた同世代の方々や、これから西アジア考古学に足を踏み出そうと考えている若い世代にとっても、それぞれに新たな気付きを与えてくれるものでした。
目下、湾岸地域ではパイオニアからのバトンを受け取った日本人研究者が指揮する5つ以上の考古調査隊が活躍しています。その最新の調査成果は、令和8(2026)年3月21日・22日に同会場で開催予定の第33回西アジア発掘調査報告会にて詳しくお聞きいただけます。
