クウェートにおける考古遺跡の無人航空機(UAV)測量に関するワークショップの開催

ファイラカ島での無人航空機(UAV)測量の様子
3Dモデル作成に取り組む受講者

 文化遺産国際協力センターは、令和7(2025)年度文化遺産国際協力拠点交流事業「デジタル技術を用いたバーレーンおよび湾岸諸国における文化遺産の記録・活用に関する拠点交流事業」を文化庁より受託しています。その一環として、令和7(2025)年10月10~17日にかけて「考古遺跡の無人航空機(UAV)測量に関するワークショップ」をクウェートで実施しました。本研修では、これまで同交流事業のもと実施したバーレーンや日本での研修を発展させ、都市や要塞といった考古遺跡の広域測量に焦点を当てました。
 国立文化芸術文学評議会(NCCAL)・考古学博物館局、クウェート大学と共同で実施した本研修には、両機関とクウェート国立博物館の専門家計15名が参加しました。受講者はUAVやGNSS(全球測位衛星システム)、3Dデジタル・ドキュメンテーションの各手法について講義を受けた後、実際にサンプルデータを使い考古遺跡の3Dモデルの作成に取り組みました。また、クウェート東部に位置するファイラカ島において、ヘレニズム時代の遺構を対象とするUAVを用いた測量を全員が行い、撮影データを用いて3Dモデルを作成し、考古遺跡の広域測量と調査研究へのデータの活用方法を習得しました。
 クウェートに限らず、湾岸諸国は多数の文化遺産を有している一方で、文化遺産を記録・保存する人材の不足が懸念されています。このような効率的な手法を学ぶことで、それらの課題の解決の一助となることが期待されます。

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