研究所の業務の一部をご紹介します。各年度の活動を網羅的に記載する『年報』や、研究所の組織や年次計画にもとづいた研究活動を視覚的にわかりやすくお知らせする『概要』、そしてさまざまな研究活動と関連するニュースの中から、速報性と公共性の高い情報を記事にしてお知らせする『東文研ニュース』と合わせてご覧いだければ幸いです。なおタイトルの下線は、それぞれの部のイメージカラーを表しています。

東京文化財研究所 保存科学研究センター
文化財情報資料部 文化遺産国際協力センター
無形文化遺産部


8月施設見学

業務内容の説明(8月5日)

 香港特別行政区政府・立法議会 内政委員ほか15名
 8月5日に、日本における文化・芸術振興の手法を学ぶために来訪。亀井所長への表敬訪問後、宮田無形文化遺産部長から同部の業務内容について説明及び質疑応答を行いました。

7月施設見学(1)

実演記録室での説明(7月21日)

 独立行政法人国立文化財機構新任職員36名
 7月21日及び22日に、独立行政法人国立文化財機構新任職員研修会の一環で、各日17名及び19名が来訪。4階保存修復科学センター化学実験室、2階企画情報部資料閲覧室、地階保存修復科学センターX線撮影室及び無形文化遺産部実演記録室を見学し、それぞれの担当者が説明及び質疑応答を行いました。

7月施設見学(2)

資料閲覧室での説明(7月26日)

 文化女子大学服飾文化コース服飾史専攻学部生ほか10名
 7月26日に、美術作品等の科学的研究の現状を学ぶために来訪。4階保存修復科学センター化学実験室及び文化遺産国際協力センター、2階企画情報部資料閲覧室、地階無形文化遺産部実演記録室を見学し、それぞれの担当者が説明及び質疑応答を行いました。

平成21年度事業の自己点検評価

 4月21日に独立行政法人国立文化財機構外部評価委員会の研究所調査研究等部会が東京文化財研究所において、6月3日に同総会が東京国立博物館において開催されました。前者は、東京と奈良の文化財研究所が平成21年度に実施した事業の実績をまとめ、それらを自ら点検し、評価したものに対して、外部評価委員の先生方から意見等をいただく会です。また、後者は、調査研究をふくめ、機構の事業全体と財務について意見をいただく会です。自己点検評価の対象となった東京文化財研究所の事業は41件です。自己点検評価では、そのすべての事業について、年度計画を100%達成し、充分な成果をあげ、中期目標を達成しつつあると判定しました。外部評価委員の先生方からは、両研究所の事業に対して次のような意見をいただきました。
 1無形文化遺産の研究をはじめとした文化財の基礎的な研究、保存修復に関する先端的、かつ開発的な研究などにおいて、国の文化財行政に資する充分な研究成果を上げている。2東アジア諸地域や西アジアにおいて、文化財保護に関する国際協力が精力的に行われている。その活動の成果を、日本国民のみならず、相手国の国民にも充分に知ってもらえるように努力してほしい。3個別の調査研究の成果は素晴らしいものが多いが、それらが一般の人たちにもっと伝わりやすい形で、かつ全体を総括した形で発信されることが望ましい。4今後は、セクションやジャンルを越えた研究、東京と奈良の両研究所が協力して行う研究、文化財研究所と博物館とによる共同研究、独立行政法人の特質を活かした研究などに積極的に取り組んで欲しい。
 他にもたくさんの意見をいただきました。自己点検評価の結果、外部評価委員の先生方からのご意見は、今後の事業計画の策定や法人運営の改善に役立てます。

フランス・ギメ美術館と東京文化財研究所との研究協力及び交流に関する覚書の締結

前列左から、中野副所長、ジャック・ジエス館長、亀井所長、清水文化遺産国際協力センター長

 平成22年5月24日、フランス・ギメ美術館と東京文化財研究所の間で、研究協力及び交流に関する覚書が締結されました。覚書は、ギメ美術館と当研究所が、研究者の交流、学術的活動の共同実施、シンポジウムなどの共同開催及び学術資料の交換等を実施することにより、文化遺産の調査・研究、保存修復に関する研究協力及び交流を強化・促進することを目的としています。
 当日はギメ美術館からジャック・ジエス館長及び尾本館長顧問を当研究所にお迎えして署名式が行われ、当研究所職員が同席する中、館長と亀井所長により署名が交わされました。

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亀井伸雄新所長・ご挨拶

 鈴木規夫前所長の後を引き継ぎ、2010 年4 月1 日付けで所長に就任しました。当研究所は、前身の美術研究所から数えておよそ80 年に及ぶ長い歴史があり、数多の諸先輩が築き上げてきた文化財研究の膨大な蓄積があります。これは当研究所の財産であるとともに今日の文化財行政を支える文化財研究の基礎となっています。近年の行財政改革の中で、東京文化財研究所は現在4国立博物館と2研究所からなる独立行政法人国立文化財機構の一施設として位置付けられていますが、そうした変化の中にあっても、当研究所には鈴木前所長が陣頭に立って築いてきた文化財の調査研究の系統化や保存修復技術開発の一体化・体系化、文化財情報の共有化等確固たる基盤が確立しています。私はこれを引き継ぎ、さらに発展させて、当研究所に与えられた社会的使命を果たすべく努力してまいりたいと思います。
 近年、さまざまな分野で地域との連携や情報公開など積極的に進めることが求められ、可能な限り開かれたものにする試みがなされています。文化財研究は、ややもすれば専門的で難しいものと思われがちですが、文化財を保護するための調査研究は、つまるところ如何に多くの方々に理解していただき、保存に協力していただけるか、それを導き出すことも含まれると思っています。そのため、蓄積された文化財情報や研究成果等を広く公開するにあたって、これらを分かりやすく伝えることが重要と考えています。
 当研究所の研究職員の数は決して多くはないですが、国際的にも通用する実力を備えた研究者も多く、その研究活動は国の内外から高い評価を得ています。今後とも、文化財保護にあたって国内はもとより国際的にも当研究所が中心的な役割を果たせるよう職員一丸となって努力してまいりますので、今後とも変わらぬご支援、ご協力をお願いいたします。

4月施設訪問

 中国上海行政学院教育長ほか7名
 4月22日に、日本の先進的な文化財保護施設の視察のために来訪。地階無形文化遺産部実演記録室、3階保存修復科学センター修復アトリエ、4階保存修復科学センター化学実験室及び文化遺産国際協力センターを見学し、それぞれの担当者が説明及び質疑応答を行いました。

3月施設訪問(1)

 中国陝西省歴史博物館及び東アジア文化遺産会議参加者16名
 3月3日に、中国陝西省歴史博物館研究員が当研究所の事業視察のため来訪、それに併せ当研究所で開催した東アジア文化遺産会議参加者とともに、4階保存修復科学センター化学実験室及び生物実験室、地階無形文化遺産部実演記録室、3階保存修復科学センター修復アトリエ、4階文化遺産国際協力センター資料閲覧室を見学し、それぞれの担当者が説明及び質疑応答を行いました。

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3月施設訪問(2)

 インドネシア・ボロブドゥール遺産保存研究所技官およびタイ芸術局保存研究部門技官2名
 3月8日に、文化遺産国際協力センターとの間で行っている共同研究の一環として、インドネシア・ボロブドゥール遺産保存研究所およびタイ芸術局保存研究部門の技官が視察のため来訪、3階保存修復科学センター修復アトリエ、2階企画情報部資料閲覧室、地階保存修復科学センターX線撮影室、無形文化遺産部実演記録室を見学し、それぞれの担当者が説明及び質疑応答を行いました。

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2月施設訪問

 ユネスコ国内委員会関係者ほか6名
 2月8日に、日本ユネスコ国内委員会の主催する研修事業にて招へいされた、中国・韓国・タイ・カンボジア・マレーシア各国のユネスコ国内委員会関係者が、無形文化遺産に係る当研究所の取り組みについて視察のため来訪、地階無形文化遺産部実演記録室、4階文化遺産国際協力センター、2階企画情報部資料閲覧室および1階ロビー企画展示を見学し、それぞれの担当者が説明及び質疑応答を行いました。

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研究所で総合消防訓練実施

消防本部(右から本部長:鈴木所長、副本部長:北出管理部長、中野副所長、手前は消防隊長:高栁管理室長)
救護者の搬送
消火器による放水体験と訓練参加者の様子
AEDの操作訓練の模様と、説明を真剣に聞き入る参加者

 1月25日午前10時30分から当研究所で総合消防訓練が実施された。 この日は研究所3階の給湯室からの出火を想定。初期消火、通報、避難誘導、救護などを研究所の職員で構成する自衛消防隊を中心に訓練を行い、当日研究所に勤務する職員が多数参加した。
 午前10時30分、所内に設置された火災警報機が鳴り、「火災が発生したので避難してください」の放送。自衛消防隊及び火災発見者が消火器による初期消火(模擬)を行い、119番通報(模擬)。職員を誘導し屋外に避難させた。
 その間、消防本部、救護所を設置するとともに、自衛消防隊が、煙を吸って具合が悪くなり、逃げ遅れた職員1人を担架で避難させ、文化財(模擬)を搬出した。
 鈴木所長からは、訓練における対応等への謝辞及び感想の後、明日の文化財防火デーは、文化財保護法の契機となった、法隆寺金堂壁画の焼失は原因不明のままであり、いつ、どこから出火するかわからないので、常日頃から気を引き締めてほしいとの講評があり、参加者は防災意識を高めていた。
 避難訓練終了後、消火器の種類、取扱い方法の説明を受けた後、訓練用消火器を使用した訓練も行われ、「火事だ!」との発声とともに放水訓練を行った。
 その後、研究所に設置されているAED(自動体外式除細動器)の取扱説明があり、AEDの取扱訓練を行った。参加者は真剣な表情でAEDを操作し、救命措置の重要性に対する関心の高さが感じられた。
 研究所では、1月26日の「文化財防火デー」に合わせ、関連行事として毎年、消防訓練を行っている。

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12月施設訪問

 モンゴル人研修生ほか6名 12月1日に、ACCU((財)ユネスコ・アジア文化センター)文化遺産保護協力事務所の主催する「文化遺産保護に資する研修2009(個人研修・モンゴル)(文化庁・東京文化財研究所・奈良文化財研究所との共催)」により招へいされたモンゴル人研修生3名が、研修の一環として、研究所の事業および施設を見学に来訪、4階文化遺産国際協力センター、保存修復科学センター化学実験室、3階保存修復科学センター金属アトリエ、2階企画情報部資料閲覧室、地階無形文化遺産部実演記録室を見学し、それぞれの担当者が説明及び質疑応答を行いました。

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「サムライの美術」展併催のシンポジウムに参加して

メトロポリタン美術館
シンポジウム会場の風景
「サムライの美術 ART OF THE SAMURAI-Japanese Arms and Armor,1156-1868」展会場入口
発表を行う鈴木規夫
The Scholars' Dayで研ぎの実演と解説を行う研師藤代興里・龍哉両氏 (父子)

 昨年の秋から正月にかけて、米国のメトロポリタン美術館(以下Met.)で開催された(2009.10.21~2010.1.10)「サムライの美術 ART OF THE SAMURAI-Japanese Arms and Armor,1156-1868」展には、日本の古代から近世にわたる武器・武具の名品が出陳され、米国内だけではなく国際的にも高い評価を得て、3ケ月の会期中約30万余の入場者が訪れたそうです。また、この展覧会には、東京文化財研究所の「在外日本古美術品保存修復協力事業」により修復された、Met.所蔵の刀剣類や兜・鞍・矢筒なども展示されました。このような日本の文化財の修復に関連して開催された「The Sunday at the Met」(2009.11.8)と称するシンポジウムでは、展覧会の責任者であるMet.の小川盛弘氏による展覧会の解説と刀剣の取り扱い、英国・大英博物館元日本部長のヴィクター・ハリス氏から日本の刀剣とその美について、さらに日本からは、研師である藤代興里(ふじしろおきさと)・龍哉(たつや)両氏(父子)による研ぎの実演と解説、鈴木からは、在外修復事業の概要及び日本における漆工品の修復の理念と手法について発表しました。シンポジウムには、米国内外から700余の参加があり、Met.始まって以来のことと関係者一同大変驚嘆していました。また、翌日は、展示室内で「The Scholars’ Day」(11.9)と称する全米の修復や学芸関係者を対象とした催しがあり、同様の発表を行いました。このところ、米国内における日本美術・文化研究の退潮や日本の存在感の低下が懸念されていますが、その回復・進展を図る意味でも画期的な事業であったと感じます。この展覧会を十年余をかけて企画・実行され、Met.のみならず日本文化・芸術の国際交流と普及に多大のご貢献をされたメトロポリタン美術館武器武具部特別顧問小川盛弘先生に対し、心からの敬意と感謝を申し上げます。

11月施設訪問

 文化庁主催 文化財行政講座受講生ほか 20名
 11月6日に、文化庁が主催する、都道府県および市(区)町村教育委員会等の文化財行政担当職員を対象とした講座において、文化財修復現場を見学することにより担当職員の資質の向上を図る目的で来訪し、井手企画渉外係員の概要説明ののち、4階保存修復科学センター化学実験室、3階保存修復科学センター修復アトリエ、2階資料閲覧室を見学し、それぞれの担当者が説明及び質疑応答を行いました。

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10月施設訪問(1)

 台東区立御徒町台東中学校・柏葉中学校・上野中学校・忍岡中学校・浅草中学校・駒形中学校教諭8名
 10月1日に、台東区内の中学校教諭8名が、学校の授業へ活用するため、研究所の事業および施設を見学に来訪し、4階文化遺産国際協力センター、3階保存修復科学センター修復アトリエ、地階保存修復科学センターX線室および無形文化遺産部実演記録室、2階企画情報部資料閲覧室を見学し、それぞれの担当者が説明及び質疑応答を行いました。

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10月施設訪問(2)

 武蔵野市なないち会23名
 10月5日に、保存・修復に関する実態を見聞・勉強し、文化財継承の重要性についての認識を深めるため来訪し、井手企画渉外係員の概要説明ののち、1階パネル展示、3階保存修復科学センター修復アトリエ、地階無形文化遺産部実演記録室および保存修復科学センターX線室を見学し、それぞれの担当者が説明及び質疑応答を行いました。

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9月施設訪問

 台東区立御徒町台東中学校7名
 9月18日に、仕事の内容を知り、働くことの大切さを知るという主旨の「職場訪問学習」により来訪し、中野副所長の概要説明ののち、4階文化遺産国際協力センター、2階企画情報部資料閲覧室、地階無形文化遺産部実演記録室を見学し、それぞれの担当者が説明及び質疑応答を行いました。

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感謝状の贈呈

前列左より、佐藤代表取締役、鈴木所長、後列左より、田中企画情報部長、中野副所長、北出管理部長

 8月10日に研究所に搬入のあった、株式会社大塚巧藝新社(佐藤末春代表取締役)からの刀剣のガラス乾板ならびに紙焼き資料一式(企画情報部にて受入)について、ご寄贈いただいたことに対して、9月14日佐藤代表取締役に鈴木所長から感謝状を贈呈しました。
 その後、所長室にて文化財保存・修復並びに美術品等の展覧会に関する文化事業など、多岐にわたる話題について懇談しました。
 当研究所の事業にご理解を賜りご寄贈をいただいたことは、当研究所にとって大変有難いことであり、研究所の事業に役立てたいと思っております。

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8月施設訪問(1)

 株式会社山下設計4名
 8月10日に、株式会社山下設計4名が、海外での文化財保存・研究センター設計等の参考のため当研究所を来訪。東文研で行なわれている調査・研究について、地階無形文化遺産部実演記録室およびX線撮影室、3階保存修復科学センター修復アトリエ、4階保存修復科学センター分析科学研究室を見学し、それぞれの担当者が説明および質疑応答を行ないました。

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8月施設訪問(2)

 文化庁次長ほか3名
 8月20日に、文化庁次長 合田氏ほか3名が概算要求事項にかかる現状視察のため来訪。東文研で行なわれている調査・研究および概算要求の主な概略について説明ののち、4階保存修復科学センター化学実験室・生物実験室、3階保存修復科学センター物理実験室を見学し、それぞれの担当者が説明および質疑応答を行ないました。

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