研究会「東京文化財研究所における実演記録事業(講談)一龍斎貞水師を偲んで」の開催

一龍齋貞橘氏による口演
対談の様子(左:飯島氏、右:貞橘氏)

 令和6(2024)年10月3日、東京文化財研究所地下セミナー室で研究会「東京文化財研究所における実演記録事業(講談)一龍斎貞水師を偲んで」を開催しました。
 無形文化遺産部では、古典芸能を中心とする無形文化財のうち、一般に披露される機会の少ないジャンル、演目を選んで実演記録事業を実施しています。一龍斎貞水氏(1939-2020、国指定重要無形文化財「講談」保持者[各個認定])による講談の実演記録も、平成14(2002)年から令和2(2020)年にかけて、145演目の記録撮影を実施してきました。
 当研究会では、無形文化遺産部部長・石村智による趣旨説明ののち、武蔵野美術大学教授・今岡謙太郎氏による講演「歌舞伎『勧進帳』の成立と講談の関係について」、当研究所による実演記録・講談『難波戦記』より「木村長門守の堪忍袋」(貞水氏、平成27(2015)年5月26日当研究所実演記録室にて収録)の上映、貞水師門弟・一龍齋貞橘氏の口演で講談『勧進帳』、貞橘氏と無形文化遺産部客員研究員・飯島満氏による対談「貞水師について」を実施しました。
 貞水氏による実演記録(講談)の公開可能な記録映像は、近日中に当研究所資料閲覧室で視聴可能となる見込みです(視聴開始の際には当研究所ウェブサイトでお知らせします)。
 今後も無形文化遺産部では、披露の機会が稀少な古典芸能等の記録を継続し、可能なものについては適切な方法で公開して、無形文化財の継承に資するべく努めてまいります。

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