SOAS(ロンドン大学東洋アフリカ研究学院)での講演会

レクチャーの様子

 文化財情報資料部主任研究員・米沢玲は、昨年10月からイギリス・ノリッチのセインズベリー日本藝術研究所(Sainsbury Institute for the Study of Japanese Arts and Cultures; SISJAC)に客員研究員として滞在し、現地での作品調査や研究活動に取り組んでいます(参考:https://www.tobunken.go.jp/materials/katudo/2056681.html)。令和6(2024)年1月25日には、そのような活動の一環としてSOAS(ロンドン大学東洋アフリカ研究学院)のCenter for the Study of Japanese Religionsで“The Arhat Painting at Kōmyōji Temple: Iconography, Style, and the Worship of Buddha in East Asia”(邦訳:光明寺の羅漢図―その図像と様式、東アジアにおける釈迦信仰に関してー)と題した講演会を英語で行いました。SOASはアフリカとアジア、そして中近東の地域研究の学術機関として世界的に知られており、ヨーロッパにおける日本研究を牽引してきた場所でもあります。
 今回の講演会では東京・光明寺が所蔵する羅漢図についてその絵画様式と図像を詳しく紹介した上で、本羅漢図の宗教的な制作背景を論じました。当日はSOAS教授Lucia Dolce氏が司会を務め、日本宗教学を専攻する学生のほか、SOASの卒業生や現地の研究者など約70名の聴衆が参加しました。講演会の終了後には質疑応答の時間が設けられ、中国美術や韓国美術の専門家からも意見が寄せられ、有意義な意見交換の場となりました。当日の会場はほぼ満席で、イギリス国内における仏教絵画研究に対する関心の高さが窺えました。

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