令和2年(2020)度第2回古墳壁画保存対策プロジェクトチーム会議のオンライン開催

 令和3(2021)年2月16日に東京文化財研究所と奈良文化財研究所による古墳壁画保存対策プロジェクトチーム会議を開催しました。古墳壁画保存対策プロジェクトは国宝高松塚古墳壁画と国宝キトラ古墳壁画の恒久保存を目的とした、二研究所が長年主軸となって推進してきたプロジェクトであり、現在は4つのチーム(保存活用班、修復班、材料調査班、生物環境班)に分かれて調査研究を行っています。今年度2回目であるこの会議は、新型コロナウイルス感染症拡大防止として発出された緊急事態宣言下での開催であったため、東京文化財研究所、奈良文化財研究所、文化庁をオンラインでつないで開催しました。
 会議では、古墳発掘調査区の三次元復元モデルの作成や壁画の状態確認、非接触による壁画の光学分析、キトラ古墳壁画保存管理施設および国宝高松塚古墳壁画仮設修理施設の温湿度や微生物のモニタリング結果について各班から報告があり、それらをもとに慎重な議論が進められました。会議で集約された報告内容は、令和3(2021)年3月23日に開催された第28回古墳壁画の保存活用に関する検討会で公表され、検討会委員から今後の研究や活動の方向性についてご指摘やご助言をいただきました。
 検討会の配布資料や議事録につきましては、文化庁HPに掲載していますので、興味のある方は下記リンクよりご覧ください。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kondankaito/takamatsu_kitora/hekigahozon_kentokai/index.html

 高松塚古墳壁画の修理は令和元(2019)年度末で完了し、公開するのに適した新しい施設の設置が検討されています。仮設修理施設から新しい公開施設への移動に伴う、壁画への負荷や環境変化など検討する事項は数多くありますが、これまでの両壁画の恒久保存に関する調査研究と併せて、プロジェクトチームで検証していく予定です。

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