「箕のかたち―自然と生きる日本のわざ」展の開催

展示の様子
西宮神社の十日えびすの福箕(兵庫県)

 無形文化遺産部では、2020(令和2)年12月2日から2021(令和3)年1月28日まで、「箕(み)のかたち―自然と生きる日本のわざ」展を、共同通信社本社ビル汐留メディアタワー3Fのギャラリーウオークにて開催しています(共催:千葉大学工学研究院、公益財団法人元興寺文化財研究所/監修:箕の研究会)。
 箕は脱穀した穀類の殻やごみだけを風で飛ばし、実を取りだす作業に使われる道具です。米などの食べ物を口にするために不可欠な基本の道具であると同時に、手近な容器としても日々の暮らしのなかで当たり前に用いられてきました。高度経済成長期以降、その使い手・作り手ともに減少の一途をたどっていますが、国では3件の箕づくり技術を重要無形民俗文化財(民俗技術)に指定するなど、保護をはかってきました。
 箕は樹木や竹などの自然素材を使って作られます。同じ編み組み細工であるカゴなどが、通常1~2種類の自然素材で作られるのに対し、箕は4~5種類の異なる素材を編み組んで作るのが一般的です。このため、箕づくりの技術は編み組み技術の集大成と言われるほど複雑・高度であるとともに、地域ごとの植生を反映した多様なかたちが生み出されてきました。
 本展では、箕というかたちに凝縮されてきた自然利用の高度なわざ・知恵に焦点をあて、14枚のパネルでその素材や製作技術を紹介しています。また、企画展に合わせ、ウェブページ「箕のかたち 資料集成」も公開しており、箕の製作技術の記録映像を多数公開しています(https://www.tobunken.go.jp/ich/mi)。このウェブページは会期終了後も引き続き公開しておりますので、ぜひご覧ください。
 (入場無料、平日9~19時、土日祝10~18時、12/20のみ臨時休館)

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