大分県立埋蔵文化財センター企画展「BVNGO NAMBAN―宗麟の愛した南蛮文化―」オープニング記念講演会での講演

大分市平和市民公園能楽堂における講演の様子

 豊後国(大分県中南部地域)は安土桃山時代にキリシタン大名として著名な大友宗麟が統治し、フランシスコ・ザビエルを始めとする多くのヨーロッパ人宣教師らが布教を行ったという歴史を持つ土地です。令和2年(2020)年10月10日(土)から12月13日(日)まで、大分県立埋蔵文化財センターにおいて、この地における南蛮文化やキリスト教とのかかわり、また近年大きな成果を上げつつあるさまざまな南蛮遺物の理化学的分析研究結果を紹介する令和2年度企画展「BVNGO NAMBAN―宗麟の愛した南蛮文化―」が開催されました。
 この展覧会では大友氏の拠点都市であった豊後府内遺跡から出土した陶磁器類などの南蛮遺物、そして津久見市が長い年月をかけて収集してきた南蛮漆器や絵画などを中心に、国内各地に所蔵される関連作品によって展示が構成されましたが、文化財情報資料部広領域研究室長の小林公治は同センターからの依頼を受け、10月10日開催のオープニング記念講演会において「キリスト教の布教と南蛮漆器―理化学的分析の検討、メダイ研究との対比から―」と題して、この展覧会の展示内容と相関するキリスト教器物南蛮漆器への最新研究成果に焦点を当てた講演を行いました。
 新型コロナウイルスへの感染リスクを減らすため、当日は着席間隔を大きく空けての会場設営となりましたが、およそ200名もの参加者があり、南蛮文化とキリスト教布教史に対するこの地の深い関心をうかがい知ることができました。

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