令和2年度保存担当学芸員研修の開催

生物被害対策に関する講義 
文化財の科学調査に関する講義

 令和2(2020)年10月5日から15日の日程で保存担当学芸員研修を開催しました。多くのご応募をいただきましたが、感染症対策のため例年の半数に絞って17名の学芸員等のみなさまに受講いただきました。 昨年度から引き続き独立行政法人国立文化財機構文化財活用センター(以下、ぶんかつ)との共催での研修となり、第一週をぶんかつが担当し、第二週を当所が担当しました。感染症対策として、検温、消毒、「3密」の回避を徹底し、実習は手袋や消毒の利用、受講生それぞれに教材を配布する等の工夫をした上で実施しました。
 ぶんかつが担当した第一週は保存環境の基礎知識について座学形式で講義を行い、文化庁、ぶんかつ、当所の3者が共同で対応している「博物館等でのウイルス除去・消毒作業」に関する指導・助言についての報告も行われました。第二週は保存科学研究センターの各研究室が半日単位で受け持ち、座学や実習を行いました。文化財を保存、修復するための理念や自然科学の基礎知識を応用して現場の課題へ取り組む方法等の幅広い内容についての講義を行い、受講者の方々からは有益であったとの意見をいただきました。最終日には今年10月に発足した文化財防災センターの高妻センター長をお招きして「博物館の防災」についてご講義いただき、ミュージアムが文化財防災に果たす役割について考える貴重な機会となりました。
 令和3(2021)年度も時代のニーズに合ったよりよい研修を提供できるよう努めてまいります。

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