国宝高松塚古墳壁画修理作業室の一般公開(第30回)

見学通路における微粒子測定

 新型コロナウイルス感染症の影響で、春に予定されていた国宝高松塚古墳壁画修理作業室の公開(第29回)は中止となりましたが、公衆衛生学の専門家による指導のもと、十分な感染予防対策をとることで、第30回の一般公開を令和2(2020)年7月18日から7月24日まで開催し、東京文化財研究所からは4人が解説員として対応しました。
 今回の一般公開では、令和元(2019)年度をもって修復が終了した壁画の中から、東壁青龍、北壁玄武、東西壁女子群像を見学しやすい位置に配置しました。
 見学者には、検温や過去2週間の健康状態の報告、マスク着用、こまめな手指消毒をお願いしました。また、見学用通路内の密集を避ける観点から、一日当たりの見学者数を100名程度に制限することで、感染予防にご協力いただきました。飛沫拡散防止のためには、今まで見学用通路での解説は口頭で行っていたものを、音声ガイダンスを導入し、見学後に屋外で質疑応答するよう工夫しました。見学前後では、見学用通路のアルコール消毒、排風機による換気を行いました。なお、換気の指標として二酸化炭素濃度の変化をモニタリングするとともに、空気清浄度の確認のため飛沫微粒子をパーティクルカウンターで測定するなど、見学者に安心して見学していただけるため、保存科学の専門家として対応に協力しました。
 今冬の一般公開の開催については、応募要領は下記リンクから確認することができますのでご参照ください。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/takamatsu_kitora/sagyoshitsu_kokai/index.html

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